Crime & Punishmentー罪と罰ー4

episode180 ページ37

ルイスside(馬車内)







ルイス「…こうしてお呼び立てしたのは、他でもありません。実は……」






シャーロック「お前らの話はだいたい予想がついてる。」







フレッド「えっ……」






さすがシャーロック・ホームズですね。




相変わらず頭の回転が早い方だ。









シャーロック「今このタイミング…且つリアム抜きで俺に接触してきたのなら考えられるのは1つしかねぇ。『リアムを救ってくれ』」





フレッド「！！」





ルイス「……」







シャーロック「ビンゴだな。リアムのプランが成立する条件は、聴衆の前での逮捕か殺害……より効果の高い死の方をあいつが選ぶのは明らかだ。」






2人「……」







シャーロック「そして、この場合における死には二つのパターンがある。一つは偽りの死、もうひとつは文字どおり本物の死だ。」






もし兄さんが偽装死で以て世間を欺くプランなら、僕達がこうしてシャーロックホームズに内通する必要は全くない。




そこまで見通しているのか。








シャーロック「つまり、リアムは本気で死のうとしてるってことだ。だからこうしてお前たちはリアム抜きでやって来た…… 」








ルイス「そんな御託はどうだっていい！！あなたは……！」








中々自分たちが話したい話題に移行しない苛立ちから少し声を荒らげてしまった。







シャーロック「俺はリアムを救うつもりだ。あいつのダチとしてな。まあ、あいつが俺のことを友達だと思っているかどうかは別だがな……今言えるのはこれだけだ。それで良いか？」






フレッド「……」







ルイス「えぇ……十分です。」








シャーロック「話は終わりだな。逆に安心したぜ。ちゃんと血の通った組織でな。」








ルイス「……ホームズさん。僕達はどんな罰も受ける覚悟です。だから、兄さんだけは助けてください。必ず」








シャーロック「任せとけ」






バタン……





彼はそう言って馬車から出ていった。









ルイス「……」






兄さん……僕は絶対兄さんを死なせない。





それにもうすぐ子供が生まれるA姉さんの事もアルバート兄さん同様しっかり守りたい。





少し前まで感受性の強い姉さんはウィリアム兄さんが1人手を血に染める事、そして自死を望む事に心を病んでしまっていた。






僕ができること。





小さな事でも成していかなければ。

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