episode163 ページ17
NOside(続き)
フレッド「…誰かがやらなければならない汚れ仕事をしているだけなのに……罪をおかした者達に罰を下しているだけなのに…それなのに貴方まで死ななければならないなんて可笑しな話です!!!」
彼は今までに無い大きな声を出した。
確かに作戦の最後に犯罪卿が全ての報いを受ければ貴族も市民もみんなが納得する結末を迎えられる。
けれど……
フレッド「あなたの頭脳なら、同じ効果を得られる別の方法だって簡単に思いつくはずでしょう!?ウィリアムさんが実際に死ぬ必要なんて無いんですよ!!そんな必要なんてっ……全然………………」
ウィリアム「…正義…………か…」
カチ…ン
ウィリアムは血の着いた刃を鞘に戻した。
ウィリアム「フー…」
すると、次は死体の前でタバコを吸い始めた。
ウィリ「僕は、自分のやってきた行いを1度たりとも"正義"だなんて思ったことは無い…そもそも僕は……人が人を裁く権利などないと思っている…」
フレッド「……え?」
ウィリ「…例え相手がどんな悪人であれ、僕にはこうして禁忌を積み重ねてきた自覚がある……」
ウィリアムは自分の手のひらをまじまじと見つめた。
ウィリ「僕の手は既に緋色に汚れきってしまっている……この汚れがどうしても……どうやったって拭い落とせないんだ……」
フレッド「……」
ウィリ「……だからね、フレッド……僕はもう、死にたいんだよ……」
微笑みながらそう言う彼と、その言葉に心臓が抉れそうになる彼。
フレッド「!?……そっ…そんな…そんな罪悪感を持つ必要なんてこれっぽっちもありません!だってこいつらは自分たち以外を人間だなんて思ってないんですよ!?」
エンダース卿が労働者は貴族の家畜だと公然と言い放ち、平然と手をかけていたのがその一例であろう。
フレッド「そんなヤツらに対して心を痛める必要は…っ!……ま、間違ってますよ!貴方の論で言えば死刑執行官は命を奪った責任をとって死ぬ必要があるって事じゃないですか!!そんなのおかしい!!」
ウィリ「…君の言うことは解る……だが、それでも…それでも僕は……自分自身を許せないんだよ……」
フレッド「違いますよ……。僕は…新しい世界をウィリアムさんと一緒に見たいです……」
ウィリ「……」
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うじっしー(プロフ) - 梓さん» コメントめちゃくちゃ嬉しいです!!そのお言葉で更新頑張れちゃいます!ありがとうございます!! (2021年4月13日 18時) (レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - 更新ありがとうございます!!更新の話数が多くてとっても嬉しいです!これからも楽しみに読ませていただきます(≧∇≦) (2021年4月13日 18時) (レス) id: 4a35916047 (このIDを非表示/違反報告)
うじっしー(プロフ) - アルパカさん» いつもいつもありがとうございます!アルパカさん大好きだァァ! (2020年12月11日 17時) (レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - 早い、早いぞパート4!そして面白いです!これからも更新頑張ってください!!! (2020年12月11日 17時) (レス) id: e49c543ba9 (このIDを非表示/違反報告)
うじっしー(プロフ) - 心美*°(見る専門)さん» 投稿をして誤字の見直しをしていたらこんなにも早くコメントを頂けるなんて!前回のPartでもコメントありがとうございますヽ(*^^*)ノ頑張りますねっ (2020年12月11日 0時) (レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うじっしー | 作成日時:2020年12月11日 0時