Crime & Punishmentー罪と罰ー4

episode162 ページ16

貴方side








街人「おい……あれは……」








街の人々が屋敷に入るモリアーティ家の馬車を見て、また騒がしくなった。







警察「通して！！道を空けて！！」







『……犯罪卿が乗ってんじゃねぇだろうな！！？』






『警察は犯罪者を逮捕するのが仕事だろ！！』







『そうだ！！恥を知れ！！！』









馬車は門を入り、玄関の前で止まった。









ダッダッダッ！





私は急ぎ足で馬車を降りる彼の元へ向かった。







貴方「アルバート様！お帰りなさい！」









アルバート「ただいま、A。」







ガチャッ









と、同時に玄関からルイスが出てきた。









ルイス「お帰りなさいませ兄様……トラブルなどありませんでしたか？｣









アルバート「あぁ……すべて予定通りの反応だな。国会では貴族たちから"モリアーティ"が糾弾された。」









貴方「それに…見ての通り、街でも多くの市民が"モリアーティ"への怒りを顕にしています。」









私はアルバート様と腕を組んで屋敷の中へ。









アルバート「"最後の事件"の滑り出しとしては上々だ……」







最後の事件……








ルイス「……」





皆はこのままで……本当にこのまま最後の事件をウィリアムのプランで進めても良いと思っているのだろうか？









ＮＯside







【22時10分 ギムソン子爵邸】








【1時40分 庶民院議員 セルウェイ議員邸】







ウィリアムは夜〜夜中にかけて単独でリストアップしていた各貴族を殺しに回っていた。








【3時21分 カークランド伯爵邸】









カークランド伯爵邸にはフレッドもいた。








カークランド伯爵死後……








フレッド「……ウィリアムさんっ……」






光を失ったそのウィリアムの目にフレッドが映る。









フレッド「こいつらは…自分の特権を利用して好き放題に生きてきた悪魔の様な奴らです。だから報いを受ける必要がある……でもウィリアムさん！貴方は違います…！」








フレッドは説得をするかの様に少し早口だった。








ウィリ「……フレッド…？」









フレッド「貴方は貴方にしか出来ない…他の誰にも出来ない事を…裁きを執行しています！ウィリアムさんは僕にとって…いや、この世界にとって正義の執行者なんです！」






そう、だからフレッドはウィリアムにずっと使えていた。

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