episode3 ページ5
アルバートside(過去)
僕は、慈善活動として孤児の施設に足を運んでいる。
慈善活動と言っても、家に居たくないという理由や帰属に対しての嫌悪感から行っている。
そんな中、街で汚れた服を着た人々と話をしたり、ある日はパンを路地裏住みの孤児に分け与えている少女がいた。
僕と同じくらいの年齢であろうか?
気づけば歩いていた彼女に咄嗟に声をかけていた。
アルバート「あ、あの!」
貴方「……はい??」
アルバート「君も慈善活動をしている貴族かい?」
貴方「慈善活動…………。私はこれを慈善活動とは思いません。富を持つ貴族がしないといけない事であるのは間違いありませんが、同じ人間の腹から生まれた人間同士、これ程の差があるのがおかしいのです。」
アルバート「!!」
彼女は切ない表情でそう語った。
そうだ。僕と同じなのだ。この子は。
彼女もまたこの世界の階級に疑問を持ち、もしかすると苦しんでいる1人であることは間違いないだろう。
アルバート「名乗りが遅れたね。僕はアルバート。アルバート・ジェームズ・モリアーティ。」
貴方「私はA……」
何故か、彼女はセカンドネームを名乗らなかった。
アルバート「??」
貴方「あ、ええと……あの……」
すごく名乗るのが嫌そうな顔をしていた。
アルバート「無理に名乗らなくてもいいよ。君の名はAだ。教えてくれてありがとう!」
貴方「!!…………アルバートさん、優しいんですね……」
アルバート「こんな道端で話しては何だから、少し喫茶にでも入ろうか」
僕は彼女の手を引いて、近くにあった喫茶に入った。
ウエイトレス「いらっしゃいませ、何に致しましょうか?」
アルバート「紅茶を1杯。それと……」
貴方「私も紅茶で!ミルクをつけてくださいな」
ウエイトレス「かしこまりました」
ドリンクの注文が済み、彼女はにこやかにこちらを見ていた。
貴方「素敵な喫茶店ですね!」
上流階級とは行かないが、頑張れば誰でも入れるような喫茶だった。
貴方「あまり、こういう所に入ってしまうと家族にバレた時が怖くて……本当はとても来てみたかったんです!」
そう嬉しそうに話す彼女の姿に少し胸が高鳴った。
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うじっしー(プロフ) - みるさん» ありがとうございます!!そのお言葉がとても頑張れます!! (2020年11月29日 14時) (レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
みる - モリアーティ最近ハマったのですが、うじっしーさんの作品一番面白いです!他も拝見させていただきますね!これからも頑張ってください! (2020年11月29日 14時) (レス) id: 66ac8b3928 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うじっしー | 作成日時:2020年11月22日 1時