episode12 ページ14
アルバートside
それからまた月日がたち、実の弟であるウィリアムの誕生日が近づいてきた。
今は夕食の時間。
正直この人たちと一緒にいる空間がストレスだ。
母「いよいよ13歳の誕生日ね。ウィリアム。秋には名門私立伝統校への入学も控えてるし、今以上に勉強しなさい。アルバートのように、イートン校の首席にならないと」
ウィリ(弟)「勉強に集中出来ないんだよ。同じ屋根の下で下等生物を２匹も飼ってるんだもん。それに可愛いメイドは兄さんの専属だし、やる気が出ないんだよねー。」
僕はウィリアムの事を睨んだ。
母「……ねえ、あなた。もう十分だわ。早く出ていかせましょうよ。弟の病気も完治したみたいだし文句は言われないでしょう？」
父「簡単に言うな。1度引き取った養子を手放すなど……矢面に立たされるのは、この私なんだぞ！」
ウィリ(弟)「いっそ警察の厄介にでもなってくれれば、追い出す理由になるのに……」
何を話すかと思えばいつもそんな話だ。
お前達の方が下等生物だ。この上ない下等生物。
ウィリアム、ルイス、Aの方がもっとも常識人だ。
父「そういえばウィリアム。さっき街を通り掛かった時、男から礼を言われた。何か施しをしてやったのか？」
ウィリ(弟)「街で？何それ人違いじゃない？馬車から降りたこともないし、下民なんかと話したりしないよ」
父「確かにそうだな。(笑)」
ウィリ(弟)「お母様っ！今夜は遅くまで起きててもいいでしょう？今年の誕生日はイースターと同じ日なんだもん！盛大なパーティーにしたい！色々と準備しなくちゃ！」
母「仕方ないわね、夜中まで屋敷中の明かりをつけておくようにサイモンに伝えておくわ」
ウィリ(弟)「パーティーにはジョセフやマーリンも呼んでやろうかな」
父「キンブル男爵の家の子達ならやめておけ。」
『あの家は金回りが相当悪いと聞く。相続税が払えなくて破産の噂も現実味を帯びてきた』
『トムは呼ばない、あそこは1代貴族だもん』
『確かリットン公爵の息子さんも来るのよね？父上は近くインド総督の候補に入ると聞いたわ、失礼のないようにね』
物心ついた頃からそうだった。
どこを見渡しても、身分身分身分……
羨望の目で上を見上げ、嘲笑の目で下を見下す。
あぁ、どうしてこの家は……
この世界はこんなにも歪んでいるのだろう……
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うじっしー(プロフ) - みるさん» ありがとうございます！！そのお言葉がとても頑張れます！！ (2020年11月29日 14時) (
レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
みる - モリアーティ最近ハマったのですが、うじっしーさんの作品一番面白いです！他も拝見させていただきますね！これからも頑張ってください！ (2020年11月29日 14時) (レス) id: 66ac8b3928 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うじっしー | 作成日時：2020年11月22日 1時
