53話 ページ6
(まだ冨岡side回想)
その時初めてAの不安そうな顔を見た。
貴方「あ……あのっ……」
冨岡「何だ…」
貴方「今日で一緒に任務に行くの…最後なんです!」
冨岡「??」
俺は何も御館様に言われていない。
貴方「冨岡様、私と一緒だとしんどいと思って(エヘヘ)」
お、俺はそんなに態度に出ていたのか。
何故か少し悲しくなった。
貴方「御館様には私から話しておきました!」
(御館様「君達は絶対良い"友人"になれる」)
貴方「私……鬼殺隊の子によく思われてないの知ってるし…色んな噂回ってるのも冨岡様聞いているでしょう?」
自分でも分かっていたのか……下の子に悪く言われているのを。
なのに…そんな奴らにもあんな笑顔で……
貴方「そ、そりゃ気にしますよね!(アハハハ)」
冨岡「勝手なことするな」
貴方「……え?」
Aの人柄に少し胸が痛かった。
苦手の気持ちもその時、どこかへ飛んでいった。
冨岡「確かに最初は苦手だったかもしれん。だが、共に任務を遂行するうちにAの人柄が見えた。百聞も一見にしかず。俺は一言もAを嫌いと言ってはいない」
貴方「と、冨岡様……」
冨岡「それに関しては俺が御館様に話をしてくる。」
俺は歩き出し……
冨岡「もう俺達は"友人"だ。何も気を使う必要ない」
そう言ってAの肩を叩き、御館様の元へ足を進めた。
〜回想終わり〜
(冨岡side)
あんなAだったのに、今では自分から四六時中特訓を行い、任務も毎日の様に駆け巡る。
いつ休んでいるんだという勢いだ。
肋が完全に完治した訳では無いのに。今のAは前とは違う。止めても無駄だな。
冨岡「……」
柱としてのAの背中はとても大きくなっていた。
ファサッ……
冨岡「煉獄の羽織……」
滴る汗、鋭い目付き、手のひらのタコ、煉獄……Aすごく頑張って……
一瞬見えたAの横顔が、煉獄と重なった……気がした。
貴方「ふぅ……終わった!義勇!」
冨岡「終わったか。お疲れ様。」
貴方「汗を拭いて着替えくる!」
〜
Aは2、3分で着替えてきた。
貴方「今日はどこに??」
冨岡「白樺亭の定食屋だ」
貴方「やったぁ!私卵とじにする!」
冨岡「わかったから、落ち着け」
いつもAのお陰で楽しかった
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作者名:うじっしー | 作成日時:2020年8月20日 21時