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34話 ページ36

不死川side



〜回想〜



煉獄が死んだあの日、柱の皆は無意識に姫屋敷へ集まっていた。




煉獄は誰よりも熱く、誇り高き精神を持った男だった。


それに対し、Aは如何なる者にも優しさと笑顔を降り注ぐ太陽のような女。



2人とも違う意味ではあるが太陽のような存在。




もうAが煉獄を好きだとかそんなのどうでもよくなって、俺はただただ一思いにAの支えになりたいと思った。





時透「……」





胡蝶「時透さん、何してたんですか?」




時透は姫屋敷から出てきた。





時透「火の匂いがしたから……火事になると思って。火を消してきただけだよ。サツマイモが沢山転がってた……」




昨日、Aがあれほど材料を買っていた理由がわかった。





任務終わりの煉獄のため……







甘露寺「それにしても、Aさんどこに行ったんでしょうか……」




胡蝶「姫屋敷のお弟子さんに聞いても見ていないしどこに行くとも聞いていないそうで。」





不死川「ったく……」





冨岡「きっと訃報を聞いて飛び出して行ったんだろう。」





仲睦まじい冨岡はAのことをよく分かっている。





その証拠に、Aは隠達に連れられ、目に光を失った表情で帰ってきた。



ドサッ




俺たち柱の顔を見た瞬間、目に涙を貯め、膝から地に崩れ落ちた。



貴方「……」





隠「A様!!」




不死川「A!!」




屋敷へ戻ってきた時のAは綺麗な着物が土まみれで髪もぐちゃぐちゃに乱れていた。




甘露寺「き、着物がドロドロだわ!わ、私が洗濯を…!」




悲鳴嶼「可哀想に……唐突に大切な人を無くすなんて…だが、後追いをしていなくて良かった。」





悲鳴嶼さんの言う通りだ。



きっと皆それが心配だったはず。






宇髄「いつもお前は俺たち一人一人に声掛けてくれるからな。それだけ俺達柱の中でもAは大きな存在。だから皆心配で来たんだろ」




時透「屋敷、台所から火の匂いがしたから、火を消しておいた……」




ほんと、コイツわけぇのに気が利くやつだ。




貴方「ありがとう……」




今にも泣き出しそうだったA。



柱の顔を見て安堵もあったんだろう。




不死川「隠達、もう帰っていい……」



柱の前で泣く柱の姿を隠に見せるのは、如何かと思い、俺は隠立ちを本部へ帰した。





胡蝶「私も訃報を聞いて、真っ先にAさんが心配でした」

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作者名:うじっしー | 作成日時:2020年8月13日 2時

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