検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:16,333 hit

39話 ページ41

(まだ千寿郎side)

貴方「私の方こそ!!!私もずっと杏寿郎様を追いかけて、ずっと愛していました!!ヒック……」





槇寿郎「Aさん。杏寿郎の気持ちを受け取ってくれるんだね?」





貴方「もちろんですともっ!(涙)私…私っ……」



僕はいてもたってもいられず、Aさんの隣に行き、背中を摩った。









貴方「鬼も全て消えた世界で……杏寿郎様と……夫婦になりたかった……(涙)」







槇寿郎「っ……(涙)」





父上の涙とAさんのその一言で僕も涙が止まらなくて……





槇寿郎「杏寿郎の想いをこの羽織だと思って受け取って欲しい…」






貴方「……分かりました。受け取ります……ヒックヒック」



Aさんは自分の羽織を脱いで兄上の羽織を来た。



千寿郎「兄上も、きっと家に帰ってきて…Aさんの気持ちを聞けて喜んでると思います……本当に、ありがとうございます!」






【これほどまで愛し合う2人が共に生きれず、共に死すことも出来ない非常に無念な運命。】





貴方「葬式に出れていないので……お線香だけでも上げていいですか??」





Aさんは本当にお優しい方だ。



兄上がもしAさんと夫婦になっていれば…兄上は本当に幸せ……ううん、死してもなおこれ程想われて幸せであろう。






槇寿郎「勿論。千寿郎、仏壇へ案内してあげなさい。」




Aさんを仏壇へ通し、線香をあげると、僕達に礼をして訓練のため帰っていった。



この前初めて会った時の凛とした感じも残ってはいたが、今日のAさんは勇ましさが出ていた。




訓練等で出来たであろう体の傷や痣。
兄上が亡くなってから相当頑張っていたのだろう。





槇寿郎「それにしてもあの娘、身体中に傷だらけであった。」




父上の目にも付いていたようです。





千寿郎「以前あった時は傷なんて無かったのですが、やはり兄上の為に頑張ってらっしゃるのでしょう」





槇寿郎「Aさんはもう我が煉獄家であるようなもの。何かあれば助けてあげなければな。」





父上は微笑みながら僕の頭を撫でた。






千寿郎「はい!Aさんに出会え、愛された兄は幸せでしょう…」





槇寿郎「悲しいな…共に生きれず、共に死すことも出来なかった……離れ離れにされて……俺と違ってAさんは強い子だ……(涙)」



父上は涙をポロポロ流した。




千寿郎「父上……」




母上が死に、生きている自分と重ねたのだろう。

40話→←38話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うじっしー | 作成日時:2020年8月13日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。