37 苦手 ページ37
その人のことを好きだと認識した途端、
面白いぐらいに人は態度が変わってしまう。
いや、私だけ？
｢まだ渡してへんの！？もう昼やで！？｣
｢だ、だって...｣
｢まあ、あいつ常に人と居るしな...｣
朝の件から一変、伊藤くんは親身になって
私の恋を応援する！と意気込んでいる。
朝、2人しか居ないときに
私の好きな人の話になったのだが、
『ところで好きなやつって誰？』
『みっ』
『ああ、侑か』
『｢み｣しか言ってないよ！？』
とっくのとうにお見通しだったようだ。
｢宮くん、人気者だから｣
そして私はと言うと、渡そうと思っていたプリンを
未だに渡せずにいた。
話しかけようにも宮くんは男子と話しているか、
ふらっとどこかに行ってしまう。
｢放課後なるまで待てば？｣
｢それが1番いいかな｣
｢多分な｣
窓側の方でコソコソと2人で話しながら
男子に囲まれた宮くんをちらっと見ると目が合った。
｢(えっ、こっち来る)｣
すると、男子の輪を抜けて
ニコニコしながらこっちへ向かってきた。
｢なに？｣
｢えっ、なっ、えっ？！｣
｢なんや、用あるから見てたんやないの？｣
用はある。
あるけど、目が合っただけで来るとは思わなかった。
袋を握っている手は緊張で汗ばんできて、
徐々に顔も体も熱くなってくる。
隣を見れば、いつの間にか伊藤くんは居なくなっていた。
｢あっ、あのっ、これ｣
ああ恥ずかしい、意識しまくりだ。
目も合わせないまま
手に持っていた袋を宮くんの前に差し出すと、
｢えー、何ー？｣と楽しそうに笑いながら受け取ってくれた。
｢あ、プリン！｣
｢えっと、昨日夜遅くまで話聞いてくれたから｣
｢ああ、ええって言うたのに｣
｢ううん、本当にありがとう｣
嬉しそうに笑う彼の顔を見たら、
胸の当たりがギュッとなる。
多分、キュンってしてるんだろうなって感覚。
｢なんで4個？｣
｢治くんと2個ずつ食べれるかなって思って｣
｢なんであいつが出てくんねん、俺が全部食うわ｣
｢...お腹壊すよ｣
｢一気に食う訳やないで！？｣
好きって気付かれてないかな。
髪型、変じゃないかな。
ちゃんと話せてるかな。
宮くんと話してても、気にならなかったことが
気になって仕方がない。
｢(私、本当に宮くんのこと好きになっちゃったんだなぁ)｣
なんて、ちょっと重いかな。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
