31 苦手 ページ31
｢あ、おかえりー。遅かったやん｣
教室に戻れば、お昼ご飯を食べ終えたのか
美樹はお弁当箱を片付けてスマホを見ていた。
｢伊藤のやつ、なんの用事やったん？｣
｢え？ああ、大したことじゃないよ｣
嘘、大したことある。
｢あ！ねえこの動画見て、めっちゃおもろいから｣
｢ん？どれどれ｣
｢何見てんの？｣
｢おー、宮も見る？｣
｢！｣
はっとして顔を上げると
戻ってきたのか宮くんが立っていた。
｢どれ？｣
そう言いながら私の横に来て、
美樹のスマホを覗き込んでいる。
.....わざとなのだろうか。
｢(近い...)｣
宮くんが机についている手は
あと少しで私の手と触れそうだ。
名前を呼んでしまえば
呼んだことを後悔するぐらいに目を離せなくなりそうだ。
｢A？｣
｢えっ、何？｣
｢何って、ぼんやりしとるから｣
｢Aちゃんがぼんやりしてるのなんてしょっちゅうやん、なあ？｣
｢そ、そうだね！あはは｣
｢認めるんかい｣
不自然すぎるな自分。
そりゃそうだ、あんなこと言われて
意識しないほど私も余裕ではない。
｢侑ー、治呼んでるでー｣
｢なんやって言ってー｣
｢なんで伝言ゲームみたいなことせなあかんねん｣
そう言うと、宮くんは
教室の入口の方に向かっていった。
ああ、なんだかちゃんと息ができる気がする。
｢(こんなんじゃ、宮くんに
意識してるってバレちゃうな)｣
勘のいい彼はきっと、
すぐに私の態度に気付くだろう。
｢あ！A！来週の日曜、神社の花火大会あるんやって！｣
｢あ〜、もうそんな時期か｣
｢行こ！｣
｢ふふ、もちろん｣
｢やった！ね、浴衣着る？｣
｢着ちゃおうかな。美樹は着る？｣
｢A着てくんなら着てくわ！｣
楽しそうに笑っている美樹をみて
私もつられて笑ってしまった。
｢(楽しみだな、花火大会)｣
スマホの中にある予定表の中に
『美樹と花火大会』と文字をうった。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
