27 苦手 ページ27
あれから宮くんに簡単なサーブを教えてもらい、
コートの片付けを手伝ったあと
体育館を出て誰もいない廊下を2人で歩いていた。
｢そういえば、宮くん私に何の用事だったの？｣
｢用事？｣
｢LINUしたよね｣
｢ああ、特に意味ないで｣
｢え〜〜〜！？｣
｢放送かかったから居ると思って｣
でも、特に嫌な気はしなかった。
嫌な気はしなかった？
うん、しなかった。
｢あ、そういえば前ね｣
｢んー？｣
｢朝、治くんに会ったの｣
｢は？｣
｢宮くんだと思って話しかけたら治くんだった｣
｢ちょ、ちょ待て｣
歩くのを止めた宮くんの方を見ると
信じられないというような顔をして
私の方をじっとみていた。
ああこれはもしかして、双子特有の
｢あんなのと俺を間違えたの！？｣的なやつだ。
｢まあ、治くんのが落ち着いてると思ったよ｣
｢すごいサラッと悪口言うやん｣
｢あ、あと宮くんの方が髪明るい｣
｢それは認めるわ。...じゃなくて｣
｢？｣
｢あのアホと、仲ええの｣
あのアホというのは、
きっと治くんのことだろう。
｢その日初めて話したよ｣
｢ふーん｣
｢え、なに｣
｢俺は宮くんかって思って｣
｢宮くんでしょ？｣
｢今確実に俺よりAちゃんの方が頭悪いで｣
｢急に悪口｣
なんだ、何を間違えた私。
｢仲良くもない男のこと
急に名前で呼んじゃうんやなあ、Aちゃんて｣
｢えっ｣
｢俺は苗字で、1回しか話したことがない治は
治くんですかー、そうですかー｣
遠回しな言い方にどういうことかと
脳内をフル回転させればようやく理解が出来た。
｢あれは、分かりやすいように名前で呼んだんだよ｣
｢俺は？｣
｢宮くんは宮くんだから｣
｢ちょっとジェラシー｣
｢私じゃない子に言ってあげて｣
｢今のは意識するとこやで｣
でも、少しばかりそれはドキッとした。
私の考えすぎとかじゃなかったら、
それってつまり、名前で呼ばれたいってことなの？
いやいや、たかが名前を呼ぶだけよ。
小学生でも出来ることなんだから。
｢もう、冗談言ってないで帰ろう侑くん｣
｢せやな、かえ.............えっ！？｣
｢玄関まで競走ね、よーい｣
｢まっ、えっ、二重で待って！？｣
恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。
逃げるように走り出した私は
ただただ、顔が熱いということと
最後に見た宮くんの驚いた顔が
頭に焼き付いていた。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
