26 苦手 ページ26
勢いよく登場したはいいが、
一体どうするべきなのか。
私と宮くんは、しばらく見つめ合っていた。
「あ、あれ?宮くん一人なの?」
「おー、みんな帰った」
「1人で練習?」
「まあ、ちょっと考えごとしながら」
周りを見てみると、体育館には他の部員もおらず
ネットが張られたままのコートと
ボールがゴロゴロと転がったままだった。
このまま帰るのもなんかなぁ...。
何となく近くにあったボールを
手に取ってベチンとボールを打った。
「なんなん今の」
「サーブです」
「うっっっっそ」
「そこまで?」
確かにバレー部からしたら、
私のサーブなんてヘボいかもしれないけど。
そんなありえないものを見るような目で見ないで、
悲しくなってくる。
「もう1回やってみ」
「え?」
「ええから」
無理やり押し付けられたバレーボールを
受け取ってもう一度天井に向けて挙げた。
「そりゃっ」
「しょぼいなぁ、掛け声とサーブが」
「どっちもダメだしされるとは...」
さっきと同じで、飛距離がまったく無く
サーブと言えるほどのサーブではない。
寧ろこれはサーブというより
叩きつけているに等しい。
「無理に上からのサーブやなくてもええやろ」
「出来たらかっこいいでしょ」
「いやいや、Aちゃんには無理」
「どうして?」
「運動音痴やから」
「現実を叩きつけないで...」
ケタケタと笑っている宮くんの顔をみながら
私は今まで感じたことの無い感情を抱いていた。
「(良かった、また話せて)」
「(もう話す機会減っちゃうかと思った)」
「(なんて言ったら、宮くん引くかな)」
こんなこと思う自分に鳥肌が立つほど
最近の私はおかしい。
「筋肉足りないんちゃう?」
「そっ、そんなことは」
「簡単なサーブのやつ教えたる」
「ほんと!?」
「ほんとほんとー」
バレーしか話題はないけど。
勉強とかテストとか面白みのない話だけど。
それでも、もっと。
「(このまま、もう少しだけ)」
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます!ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない???と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります!長々とすみません! (2022年8月2日 18時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません!!!!!!!! (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです!めっちゃいいとこ(?)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……!更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます!わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです!頑張って更新しますので!頑張ります!!!! (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黎子 | 作成日時:2018年9月30日 0時