22 苦手 ページ22
『ああ、なるほど。そういうこと』
｢ごめんね、本当に｣
『ええって全然』
押し間違えたことを説明すると、
宮くんは笑いながら許してくれた。
まあ、このぐらいでは怒らない人だろうけど。
『勉強しとるん？』
｢してるよ、ちゃんと｣
『ほんま？』
｢まあ、今は休憩中だけど｣
『あーあ、休憩挟んだらもう終わりやで』
｢じゃあ宮くん何してるの？｣
『俺はちょっと、シーツ替えてた』
｢休憩中じゃない｣
『ちゃうって！思い立ったら即行動なだけや！』
すると、スマホの向こうから
｢お前、通話すんなら部屋出ろや｣と
宮くんにそっくりな声が聞こえてきた。
ていうことは、もう1人の宮くんも
今まで''そこ''に居たってことか。
｢ごめんね、なんか｣
『ええねん、あいつ短気やし』
『誰が短気や』
『紛れもなくお前やて』
｢ふふ、それじゃあ、そろそろ切るね｣
『おー、またなー』
それを最後に、通話は切れた。
今までお父さん以外男の人と
通話をしたことがなかったから変に緊張した。
｢(さて、と)｣
私も、シーツ替えよっと。
･
･
･
結局、勉強を再開する気にならず
お風呂に入ったあとベッドに潜っていると
気付いたら朝になっていた。
のそのそと準備を進めていると、
お母さんが急いだ様子で部屋に入って来た。
｢A、お母さんたち今日も帰り遅いから｣
｢分かった｣
｢晩御飯置いとくから、ちゃんと食べるのよ｣
｢うん、行ってらっしゃい｣
｢行ってきます｣
小さい頃は、この程度の会話だけでは
物足りなかったのを覚えている。
学校が終わって家に帰っても、
｢おかえり｣の一言の代わりに冷めた晩御飯と
お母さんの置き手紙がテーブルの上にあるだけだった。
｢(そういえば、前に宮くんにも話したな)｣
｢(寂しくなったら話し相手になるとか)｣
｢(宮くんのことだから、忘れてるんだろうけど)｣
ん？ちょっと待って？
｢...なんで宮くんのこと思い出したんだろう？｣
あ、いけない。
早く準備しなくちゃ、遅刻しちゃう。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
