17 苦手 ページ17
正直、つまらなさそうな子やと思った。
顔は悪くないとして、
女子としかつるんでるとこ見たことないし、
勉強が出来るイメージしかなかった。
「私、宮くんてちょっと苦手」
この一言が無ければ、関わる事すらなかっただろう。
その続きが気になって、
音を立てないように後ろに立っていた。
「雰囲気が怖いし、不良っぽい」
「それに、そういう女の子との
噂が絶えない人は私はちょっと...って、え?」
あの時のあの驚いた顔ったら、もう。
「Aちゃん、俺の事そう思ってたんやな?」
その表情が面白かったし、
苦手なら尚更、もっと面白い顔が見れるのではと
何度もちょっかいを出したものだ。
そのために、俺は嘘をついてまで
放課後、勉強を教えてもらうように頼んだ。
・
「(あー、ひま)」
体育の時間、女子も男子もバレーをやっていた時、
あの子が運動は苦手だとボヤいていたのを
思い出して、それをダシに弄ってやろうと
休憩がてら女子のバレーを見ていた。
「はい!西山さん!」
「う''っ!!」
「(意外と出来てるやん。...レシーブかどうか危ういけど)」
フォームこそ滅茶苦茶だが、楽しそうにバレーをしている。
俺と話す時のあの子は、縮こまったウサギの様だが
女子ともなると、笑顔を見せることが多い。
「(まあ、''苦手''って言ってたし、しゃーないか)」
女子の方のゲームが終わると、
あの子がバスケットゴールの下を通って来るのが見えた。
「見とけや俺のスパイク!」
「!?おい待てっ!」
そう息巻いていた同級生の声が聞こえて、
これはやばいと思った時には、
すでにあの子の方に体が動いていた。
「西山危ない!」
「え?」
・
ダンダンと、ボールが弾む軽い音が響いた。
ボールが当たった背中は、まあまあ痛かったけど
そんなこと気にして居られなかった。
「(ちっこいな、女って)」
この子を壁に追いやってまで
どうして自分が覆いかぶさったのか、
さっぱり分からなかった。
「.........んっ!?」
「(あ)」
またや、その
「堪忍な」
・
・
だから、今日あった体育の話を
放課後の勉強会にしてみた。
「あの時の俺、かっこ良かった?」
また、スルーされるかと思ってたら違った
「かっ、かっこ...?」
耳まで赤くなっている姿に、調子を狂わされた。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます!ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない???と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります!長々とすみません! (2022年8月2日 18時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません!!!!!!!! (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです!めっちゃいいとこ(?)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……!更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます!わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです!頑張って更新しますので!頑張ります!!!! (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黎子 | 作成日時:2018年9月30日 0時