1 苦手 ページ1
｢Aー、お昼食べよー｣
｢うん、いいよ｣
2年生になってから、まだ2ヶ月しか経っていない。
まだ6月だが涼しいような暑いような、
不思議な温度の中で私は友達の美樹とお昼ご飯を食べていた。
｢ね、ねえ、A｣
｢ん？どうしたの？｣
｢私のミニトマト食べてくれたりとか...｣
｢好き嫌いはいけません｣
元々東京に居たのだが、
親の仕事の都合で引っ越してきたのだ。
友達が出来るか不安だっけど、
まあそれなりに友達も出来たし、
楽しくて高校生活を送れている。
｢あ、そういえば｣
｢ん？｣
｢また別れたんやって｣
｢別れた？｣
｢ほら、みやあつ｣
｢あー｣
私は、どちらかといえば
人見知りとか苦手な人とかはない方だが、
強いていえば1人だけいる。
｢あんまり長く続いてる話は聞かないね｣
｢ほんまやなー。なんで続かへんのやろ｣
｢宮くんてよく分かんない｣
｢Aは中学別やったもんね｣
宮侑くん。
今年、初めて同じクラスになったのだが、
彼は学校の有名人だから知っていた。
多分、この学校で1番のモテ男ではないだろうか。
｢顔はええんやけどな〜、みやあつ｣
そう言うと、美樹は苦手なミニトマトを
一口で食べると｢うげえ｣と言う顔をしていた。
｢Aどう思う？｣
｢え？｣
｢みやあつのことや｣
急に話を振られてたため、
箸で掴んでいた卵焼きをボトっと落としてしまった。
ああ、私の厚焼き卵が無残な姿に...。
｢どう思うって聞かれても...｣
｢あるやん！かっこいいとか！好みとか！｣
そういえば、どうして私が
宮くんのことが苦手なのかを説明していなかった。
｢私、宮くんてちょっと苦手｣
｢へえ！なんで？｣
｢雰囲気が怖いし、不良っぽい｣
｢！ちょ、ちょっとA...！｣
｢それに、そういう女の子との
噂が絶たない人は私はちょっと...って、え？｣
美樹の焦った表情が目に入り、
その視線は私の後ろを見つめていた。
何か嫌な予感がして後ろを
ゆっくり振り返ると
いい笑顔をしている長身で金髪の男。
｢Aちゃん、俺のことそう思ってたんやな？｣
｢みっ...宮.........くん｣
私の楽しい高校生活よ。
グッバイ。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
