29 苦手 ページ29
｢...｣
｢西山？｣
｢あっ、ごめんちょっと驚いちゃって｣
ど、どうしよう。
正直言って伊藤くんのことは
良いクラスメイトとしか見たことがない。
それにもっと正直なことを言うと、
こういう経験もないに等しい。
｢私は...その...｣
｢じゃあ、好きなやつでも居るの？｣
｢まさか｣
｢そっか、侑のこと好きなんやと思ってた｣
｢宮くんはそんなんじゃないよ｣
違う、宮くんはそんなんじゃない。
最近仲良くなったというだけだ。
それなのに、どうしてこんなに
宮くんのことが頭から離れないのか。
｢わかった。今無理に返事出さなくてもええから。
ゆっくり考えてみて｣
｢うん...｣
｢じゃあ、先戻るわ｣
伊藤くんは空き教室から出て、私一人になった。
すぐにでも返事を出せば良かったのに
喉の奥に何かがつっかえて上手く声が出なかった。
｢(伊藤くん、良い人なだけに断りづらいな)｣
｢(でも、そんな理由だけで付き合ったとしても
真面目に言ってくれた伊藤くんに失礼だろうし)｣
まだ心臓がバクバクしてる。
一体どうしたものかと思うのと同時に
力が抜けてしゃがみこんだ時だった。
｢何してるん、そんなとこで｣
｢うっ！わ〜｣
｢なんやその失礼な反応｣
空き教室の入口に宮くんが立っていた。
今まで寝ていたのだろう、左頬だけ赤い跡が残ってる。
｢な、なんでここに｣
｢伊藤出てきたの見えたから｣
｢ああ、そういうことか｣
ということは、内容は聞かれていないということか。
そう思うと、少しほっとした。
｢何かあったん｣
｢ないって言ったら嘘になるかな｣
｢へえ、詳しく｣
｢内容が内容だからねえ｣
この類の話をすれば、
たちまちクラスの話題だ。
あまり話さない方がいいだろう。
｢当てるわ｣
｢当たるかな｣
透視しようとしているのか、
私の前でしゃがみこんでじっと目を見てくる。
本当に透視されてたりして。
｢告られた｣
｢.........違うよ｣
｢いや今の間は当たりやん｣
｢なんでそう思ったの？｣
｢こんなとこ呼び出すってもうそれやんな｣
やっぱり宮くんには適わない。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
