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2 甘いよりも ページ2

お見合い当日。

豪華な料亭に行けばすぐに個室に案内され、

部屋に着けば相手の企業の方はもう座っていた。

お互いの上司は部屋から出ていって、

私と相手の方しか今はいない。






「え、えーっと...」







さてさて、一体何から話せば良いものか。

お互い名前も知らない訳だ、気まずいし、

今だって相手の顔をはっきりと見れず

下ばかり見てしまっている。







「(実は私このお見合い乗り気じゃないんですよね!)」

「(...それは1番最悪の選択)」

「(若いのに良いお相手探してるんですよね!)」

「(...つっても1歳差だし…うーん)」







悶々とそんなことを考えていると、

静かな部屋には息を吸う音が鮮明に聞こえた。







「お名前、伺ってもいいですか」







そう切り出したのは、

私の正面に座っている男性からだった。

ハッとして顔を上げると、

ここに来てちゃんと、相手の人の顔を初めて見た。







「(...あ)」







正面から見た彼の顔は、なんというか、

一言で言うとクールビューティというか。

いや、それもなんか違う感じするけど、

クールビューティなんだけど凜々しいっていうか。







「あの?」

「!かっ!春日Aです!」

「春日さん、ですね」







い、一体何なの、このクールビューティ。

顔もカッコ良ければ声もカッコイイとは。

世の中、こんなに良いものを与えられた人が

本当に存在するんだなとしみじみ思っていた。






「僕は、赤葦京治です」

「あ、あかあし、さん」







誠実、真面目。

良い意味でそんな言葉が似合う人だと思った。







「今回はすみませんでした」

「え?」

「このお見合い、元は僕の上司の勘違いなんです」

「勘違い、ですか」








話を聞くところによると、前に飲み会があり、

その時に恋人を作らないのかと聞かれた赤葦さんは

「そうですねぇ」と考えたように言ったところ、

それを肯定と捉えた上司が今回のお見合いを提案したのだという。







「な、なるほど、そうだったんですね」

「ええ。すみません、巻き込んでしまって」







この人は何かと苦労性なのだろうか。

不思議と私はそんなことを思った。







「あ、良かったら連絡先交換しませんか」

「私と、ですか」

「今後、春日さんの企業にお世話になることもありますので」

「ああ、そうですね。良いですよ」







そう言ってお互いの連絡先を交換したあと、

時間になるまで私達は話をしていた。

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黎子(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!!私は文をまとめる力がないので自信がありませんでしたが、いい雰囲気が伝わって良かったです!これから更新頑張ります! (2019年3月21日 8時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - いい!あまい!最高です!これからも応援してます!!更新頑張って下さい!! (2019年3月21日 5時) (レス) id: 89e258a129 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - ぬりえさん» コメントありがとうございます!!制作中なのでもう少しお待ちください!面白いと言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます! (2019年3月19日 19時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬりえ(プロフ) - クロ…続き気になります!すごく面白いです!頑張って下さい (2019年3月19日 7時) (レス) id: 5d60eb57a7 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - MAGICさん» あああああ!ありがとうございます!拙い語彙力でありますが頑張らせていただきます! (2019年1月25日 22時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黎子 | 作成日時:2019年1月7日 1時

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