10 甘いよりも ページ10
『うちの赤葦くんが、今回のお見合いの話、
良い方向に進めたいって言ってるんですよ』
｢(確かにそう言ったよね、田口さん)｣
詳しいことを聞こうとしたら、
相手の田口さんはこれから会議とかで
一方的に電話を切られてしまった。
｢(赤葦くん、断っていいって言ってたよね)｣
｢(上司の手違いだから断ってくださいって...)｣
｢(もう、何がどうなってるの...)｣
こういうときに限って課長は居ないし。
ああ、どうしたらいいものか。
・
・
・
｢お先に失礼します｣
｢お疲れ様、また明日ねー｣
結局、あれから1度も課長は戻ってくることなく、
気付いたら定時になっていたため、
私は仕事を終えて家に向かっていた。
｢(あ、綺麗だなあ)｣
家に向かって歩いていると、
ちょうど通りにあるお店のガラスケースの中に
真っ白で綺麗なドレスが飾ってあった。
そうか、ここはウェディングドレスを取り扱ってるお店か。
｢(結婚か...)｣
まあ、私だって結婚はしたいけど。
でも鉄朗と結婚ていうのは、いまいち考えられない。
好きは好きだし、向こうも好きだっていうのは分かる。
でも、なんていうか、｢好き以上｣が感じられない。
｢結婚、したいんですか｣
｢うっ、うわっ！？｣
｢お疲れ様です｣
｢あ、お、お疲れ様、です｣
後ろに立っていたのは、渦中の赤葦くんだった。
いつから後ろに立ってたの、気付かなかった。
『良い方向に進めたいって言ってるんですよ』
昼間、田口さんと電話してる時のことを思い出した。
ねえ、あれって本当なの？
もしかして、お見合いの話の時みたいに
また誤解でもされちゃった？
｢？なんですか？｣
｢！なんでもない。帰りなら、一緒にどう？｣
｢あ、じゃあ、よろしくお願いします｣
｢こちらこそ｣
でも、赤葦くんの顔を見る限りそんな感じはしない。
やっぱり、あれは田口さんの勘違いなのかな？
｢冷えますね｣
｢そうだね、マフラーしてくれば良かった｣
｢首元寒いの、ダメなんですか？｣
｢隙間あったら寒くない？｣
｢隙間って、そんな家みたいに｣
2人で話をしながらしばらく歩いていると、
冬だから今は使われていない噴水広場に
おでんの屋台が見えた。
すると、ぐぅ...とくぐもった音が私のお腹から鳴った。
｢食べて行きます？｣
｢...うん｣
空腹には勝てないからね。
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黎子(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！！私は文をまとめる力がないので自信がありませんでしたが、いい雰囲気が伝わって良かったです！これから更新頑張ります！ (2019年3月21日 8時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - いい！あまい！最高です！これからも応援してます！！更新頑張って下さい！！ (2019年3月21日 5時) (レス) id: 89e258a129 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - ぬりえさん» コメントありがとうございます！！制作中なのでもう少しお待ちください！面白いと言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年3月19日 19時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬりえ(プロフ) - クロ…続き気になります！すごく面白いです！頑張って下さい (2019年3月19日 7時) (レス) id: 5d60eb57a7 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - MAGICさん» あああああ！ありがとうございます！拙い語彙力でありますが頑張らせていただきます！ (2019年1月25日 22時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2019年1月7日 1時
