46 私とあいつ ページ47
到着したはいいものの、肝心の音源のほうが
準備されていないらしくみんなで炎を見つめていた
「あ、北さんや」
「北さん?」
「部活の先輩。ちょっと行ってくるわ」
そう言った侑は、その北さんとやらの方に歩いていった。
ああ見たら、あいつデカイな。
しゃがんで見つめていると、誰かが隣に来る音がした。
「あ、治くん」
「Aちゃん」
ナチュラルに隣にしゃがむ治くんは、侑と違って
とても静かだ。
こう見たら少し顔立ちが違うんだなあ。
「つむと、付き合うたん?」
「...まあ」
「そっか。良かったな」
ふっと笑った顔は本当に祝福してくれている。
すると、「でも」と言った顔は少し険しい。
「食いもんには気いつけた方がええ。」
「食いもんって?」
「名前書いても無駄や。あいつにはそんなん関係あらへん。」
何か苦い思い出があるのか遠くを見つめている。
何があったのかは敢えて聞かないでおこう。
「治くんは、北さんのとこ行かなくてええの?」
「さっき行った」
「そうなんや」
「北さん知っとるん?」
「さっき知った」
頭に?マークを浮かべている治くんが
なんだかおかしくて笑ってしまった。
「あ!こらさむ抜けがけか!」
「何意味分からんこと言っとんねん。」
北さんへの挨拶が終わったのか、
侑は戻ってくるなり治くんとギャーギャー揉めている
「(ええなあ、兄弟って)」
「ん?Aどないした」
「なんでもない。」
『音源なんとかなったから、これから
フォークダンス始めるでー。』
放送がかかり、みんなが炎の周りに円になって
配置につく。
「まさか、私と踊る気なん」
「当たり前やん」
右後ろには、侑が立っていた。
一緒に踊るということまでは考えていなかった。
すると、音楽が鳴ると侑に手を握られ踊る。
「劇の延長みたい」
「あれは、フォークダンスちゃうやん」
「侑、ダンス下手やったなあ」
「うっさい」
「ふふ」
1周回り終わって次の人に移動をする。
「またね」
「おん」
侑は右へ、私は左へ。
それを何周も繰り返し、時間が来たため終了する。
「ええかー、お前らー。夜遅いから気いつけて帰るんやでー」
そのまま外でSHRを終えてゾロゾロと帰る。
さて、帰ろうと思い歩き出すと侑が隣に来た。
「一緒に帰らん?」
「うん、ええよ」
そうだ、付き合ってたんだった。
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黎子(プロフ) - 紅麗亜さん» ありがとうございます!感謝で涙が溢れます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
紅麗亜 - いつも、楽しく見ています。更新頑張ってください!応援しております。 (2018年2月25日 17時) (レス) id: 219f3dfeac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黎子 | 作成日時:2018年2月12日 14時