コンパートメント ページ4
・
ドラ「えっ…」
思わず挙動不審になる。
そんな僕を彼女は訝しげに見つめた。
ドラ『いや、その、なんだ。A・スペンサーが今年入学してくると聞いて、だから僕が直々に仲良くしてやろうと…。あぁ、僕はドラコ・マルフォイ、よろしくな。』
しどろもどろになりながら握手の手を差し出す。
だが彼女はその手にちらりと目をくべるだけで、
握り返しては来なかった。
『Aで結構よ、ドラコ。でもお生憎様、誰かと仲良くする気は無いの。』
Aは感情のない声でピシャリと言い放つ。
呆気に取られて、思わず僕は声を失った。
この僕と仲良くする気がないだと…？
生まれてきた時から媚びを売られることは山ほどあっても誘いを断られることなど、ただの1度も無かった。
ドラ「長い移動中1人も寂しいだろう？僕が話し相手になってやるって言ってるんだ。君の相手に相応しいのは僕くらいのものだろう？」
思わず早口でまくし立ててしまう。
『1人は嫌いじゃないの。それになに？相応しいのは僕くらいだって、貴方が凄いのじゃなくて貴方のおうちが凄いだけなのによくそんなにえばれるね。』
ドラ「は…？」
この女、今僕のことをバカにしたのか？
少し僕の家より偉いだけでこの僕のことを…？
ドラ「お前だってお前の家が凄いだけじゃないか！」
少し語気を荒くしてしまう。
ふん、僕にそんな口きいたお前が悪いんだ。
そう思ってAを睨みつけると、
Aは予想に反して少し泣きそうな顔をしていた。
そう、ちょうど最初見た時のような。
『そう…かもね…』
消え入りそうな声に何も言えなかった。
ドラ「あ、えっと…」
クラ「なぁマルフォイ！ゴイルがグミ喉につまらせちゃったんだけど！」
僕が口を開くより先にクラッブが
コンパートメントにずどずどと走ってきた。
ドラ「はぁ？」
クラ「なんか急に苦しそうにし始めて、ちょっと来てくれよ！」
ドラ「いや今僕は…」
『行ってあげなよ。お友達、でしょ？』
いつの間にかまた
能面のような顔つきに戻ったAがそう口を開く。
ドラ「いや…」
クラ「なぁ！いいから早く！」
僕の言葉を無視してクラッブは僕の手を引き、
Aのコンパートメントから連れ去った。
自分のコンパートメントに戻り、
ゴイルの喉の詰まりを助けながらも
僕の頭の中はさっきの泣きそうなAの顔で
いっぱいだった。
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美愛(プロフ) - リアルはりねずみさん» わぁぁ！ありがとうございます！ぜひ是非もうそろそろ物語も大きく動くので楽しみにしててください(´˘`＊)毎日ありがとうございます (2023年2月11日 23時) (
レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
リアルはりねずみ(プロフ) - 初コメ失礼します。毎日ウッキウキで見でます！これからも頑張ってください！ (2023年2月11日 22時) (レス) @page48 id: e9f90883f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2023年2月2日 8時
