たぬき ページ28
side竜
・
バスが聖ブリリアント学園に着くとAが簡易的な締めの挨拶をして解散になった。
「A」
Aがバスの運転手にお礼を言い終わるタイミングを見計らって名前を呼ぶ。
俺の声にビクッと肩が震えた。
『竜...』
明らかに動揺した目で俺を見るAの腕を少し強引に引く。
「帰るぞ」
報われるはずのないと思っていたのに
1度掴んだかもしれないチャンス
簡単に離さねえよ
「なぁA...」
尊「おお、竜ちゃん、A！帰ろうぜ〜」
兄貴が後ろから俺とAの肩にもたれかかってきた。
兄貴...
いつもは尊敬してやまない兄貴だが
今ばっかりは...
恨めしい目で兄貴を見上げるも全く伝わる気配がなく、俺はため息をついた。
ｰ
尊「ただいま〜！」
俺達が帰るといちごと仁が出迎えてくれて、
リビングに行けば母ちゃんが温かいご飯を作って待っててくれて、
親父の感想攻めに合いながらワイワイしていると
Aと二人きりになる時間なんてなかった。
いや今更だけど我が家賑やかすぎる！
一段落終え、戻ってきた部屋のベットに寝転びながら心の中で叫んだ。
けど今日を逃したらもう行けない...
ちゃんと確かめたい
勢いよくベットから起き上がると、
Aの部屋に向かった。
「A」
コンコンと部屋をノックする。
返事はなかったが入るぞーと声をかけドアを開けた。
布団の中に明らかに不自然な膨らみがある。
おいA...
んなので誤魔化せるわけねえだろと呆れながらも、
そんなことをするAすら可愛いと思ってしまうんだからもう重症だ。
「寝てんのー？」
ベットに近づく俺の気配を感じたのか布団がモゾっと揺れる。
「ねえ、Aー」
布団の中のたぬきをぽふぽふと叩くがなんの反応も示さない。
「...起きねえんならキスすんぞ」
『っ！！！』
布団越しでもわかるくらいにビクリとAは体をすぼめた。
そしておずおずと目から上だけ出してくる。
あーくそ、可愛すぎんだよ
俺はばっと布団を剥ぎ取った。
『あぁっ！！』
真っ赤な顔をして布団を奪い返しに来るAを軽くあしらって布団を部屋の端に投げ捨てる。
そしてじたばたさせるAの両腕を片手で掴むと、もう片方の手をAを閉じ込めるように壁についた。
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美愛(プロフ) - tenkhさん» ありがとうございます、凄く嬉しいです！とても力になります(*^^*) (2020年1月28日 14時) (
レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
tenkh(プロフ) - 更新嬉しいです！この作品めちゃくちゃ好きです！ (2020年1月28日 13時) (レス) id: a668c29e36 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。しばらく毎日更新していきたいと思いますのでぜひ楽しみにしていてください(*^^*) (2020年1月26日 22時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 京極兄弟の妹の続き早く読みたいです！竜と妹のハッピーエンドも期待してます�� (2020年1月26日 21時) (携帯から) (レス) id: 478e83e2b7 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - SORA さん» わああ！！凄く嬉しいですヽ(*´∀｀)ノそう言って貰えると作者冥利につきます！これからも頑張って書かせて頂きますね！ (2020年1月26日 11時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2020年1月10日 13時
