湖 ページ25
・
竜に連れてこられた先は湖。
澄んだ空気と透明感のある水が爽やかな雰囲気を作り出していた。
『綺麗だね』
胸いっぱいに息を吸い込む。
「ここ、ボート乗れるんだと。お前そういうの好きだろ」
『あ...うん！』
私の返事を聞くと竜は係の人のところへ行って一言二言交わすとおいでって手招きした。
ｰ
『わぁ...！』
漕ぎ出したボートから見える水面はキラキラと光っていて、周りの緑と相まって素敵だった。
「風が気持ちいいな」
『うん！』
幻想的な空気に飲み込まれ、竜がオールを漕ぐ音だけがパシャンと響く静かな世界だった。
『あ、えと、漕ぐの変わろうか？』
なんだか落ち着かなくなって竜に話しかけてみる。
「いいよ、大人しく座っとけ」
『でも腕疲れたでしょ？』
「平気だから。こういうのは男の役目なんだよ」
大人っぽい眼差しに見つめられ
胸がきゅんと締め付けられる。
視線を逸らすタイミングを見失い、
お互いをただ見つめ合う。
時間が止まったような錯覚に陥った。
「顔、赤くない？」
『！！！』
竜に指摘され、さらに頬の熱が上がる。
綺麗な瞳にじっと覗き込まれてもうどうしていいか分からなかった。
「なんで黙ってんだよ笑」
竜が不思議そうに微笑む。
その笑顔がかっこよすぎてクラクラしてきた。
クラクラ...
体の力がふわっと抜ける。
「ってA！」
竜に腕を捕まれ、ハッと意識が戻る。
無意識のうちに体が傾いていて、
もう少しでボートから身を乗り出すところだった。
「おい、大丈夫か？まだ体調悪かったか？」
心配そうな竜の顔がすぐ側にある。
もう思考はパニックに近かった。
『好き』
だから自分の口から出た言葉が現実のものなのかどうか、少しの間分からなかった。
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美愛(プロフ) - tenkhさん» ありがとうございます、凄く嬉しいです！とても力になります(*^^*) (2020年1月28日 14時) (
レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
tenkh(プロフ) - 更新嬉しいです！この作品めちゃくちゃ好きです！ (2020年1月28日 13時) (レス) id: a668c29e36 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。しばらく毎日更新していきたいと思いますのでぜひ楽しみにしていてください(*^^*) (2020年1月26日 22時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 京極兄弟の妹の続き早く読みたいです！竜と妹のハッピーエンドも期待してます�� (2020年1月26日 21時) (携帯から) (レス) id: 478e83e2b7 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - SORA さん» わああ！！凄く嬉しいですヽ(*´∀｀)ノそう言って貰えると作者冥利につきます！これからも頑張って書かせて頂きますね！ (2020年1月26日 11時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2020年1月10日 13時
