恋 ページ23
・
そして光輝がぽつりと口を開いた。
光「Aさん、俺ね恋ってすごく自分に力をくれるものだし、幸せなものだと思う。
だからAさんはAさんが好きな人への想いを大切にしたらいいと思うんだ。」
『え？』
光「どんな結末になるか分からない、たとえ報われる恋じゃなくても、AさんはAさんが1番輝ける恋をしたらいいんだよ」
光輝が優しく微笑んだ。
『光輝...』
光「もしそれでしんどくなったらいつでも俺のところにおいで」
『そんなの光輝に失礼』
冗談めかして言う光輝に私は顔を顰めた。
そんな私を見て光輝はフッと笑う。
光「俺はいいんだよ。俺はAさんの笑顔が見たいから」
儚いような、悲しいような笑みを浮かべながら
光輝は私の頬にそっと触れた。
涙の跡を拭うように優しく頬を撫でる。
光「俺ね、Aさんの笑顔のためならなんでも出来るんだ」
自分に言い聞かせてるようにも聞こえる口調でそう言って、力強く光輝は笑った。
ｰ
別荘が見えてくると門のところに人影が見える。
「...！A」
竜が私を見つけると駆け寄ってきた。
私が俯いていたら心配をかけるとぐっと力を入れて顔を上げる。
大丈夫、今まで通り、今まで通り
竜の方を向いて笑ってみせた。
『ただいま、光輝と蛍見に行ってた』
普通に、普通にできる...
私の言葉に竜はそうかと安心したのか力の抜けたような笑みを向けた。
かと思うと私の肩を抱く光輝の腕を掴む。
「これはなに？」
竜がギロっと光輝を睨む。
光「別に」
応戦するかのように光輝も睨み返した。
「Aに触んじゃねえよ」
光「一々許可がいるんですか、おにいさま？」
光輝の挑発するような態度に竜はチッと舌打ちすると私の腕を掴んで自分の方に抱き寄せた。
突然のことに心臓がどくんと跳ねる。
見上げると竜の整った顔がすぐ近くにあって、なんだか恥ずかしくなってくる。
熱を帯びた顔を隠そうと咄嗟に下を向いた。
普通になんて無理！
嬉しくて、恥ずかしくて、
竜の顔がまともに見れない。
まだ竜と光輝は何か言い合いをしていたようだったが
私には竜の規則正しくリズムを刻む鼓動の音しか聞こえなかった。
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美愛(プロフ) - tenkhさん» ありがとうございます、凄く嬉しいです！とても力になります(*^^*) (2020年1月28日 14時) (
レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
tenkh(プロフ) - 更新嬉しいです！この作品めちゃくちゃ好きです！ (2020年1月28日 13時) (レス) id: a668c29e36 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。しばらく毎日更新していきたいと思いますのでぜひ楽しみにしていてください(*^^*) (2020年1月26日 22時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 京極兄弟の妹の続き早く読みたいです！竜と妹のハッピーエンドも期待してます�� (2020年1月26日 21時) (携帯から) (レス) id: 478e83e2b7 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - SORA さん» わああ！！凄く嬉しいですヽ(*´∀｀)ノそう言って貰えると作者冥利につきます！これからも頑張って書かせて頂きますね！ (2020年1月26日 11時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2020年1月10日 13時
