女優の私が推しの彼女はじめました 3 (ページ10)

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痛々しさページ10

ICUにの個室にいるって言われたから来てみた。
ICUってさ。急変するかもしれない人がいる部屋。
え。何？A･･･急変するかもしれないわけ？
家族以外の面会は出来ないらしいけど
計らいでいれてもらった。
中にはマネージャーの岡崎さんと
無数のチューブと機械に縛られたA。
まるでドラマのシーンの一部。
ドラマのシーンがかなりリアルなのを改めて知る感じ

【結構ギリギリだったみたいでさ】
『はい』
【あと少し搬送が遅ければ･･･】
『そうですか』
【ドクターの話は聞いてなくてわからないんだけど】
『はい！』
【社長が復帰しても痛みを抱える場所は多いって】
『･････････』
【意識もまだなんとも言えなくて】
『A』
【どうなるかは目処が立ってない】
『一緒にいた岸本さんは？』
【無事！あの子も1回気を失ってるから検査に】
『そうですか！』
【対向車の運転手も意識はあって事情聴取らしい！】
『･････････』

対向車の人も岸本さんも無事。
それなのになんでAはこんななの。

【僕はもう出ますのでそばにいてあげてください！】
『はい！ありがとうございます！』
【事務所からの詳細はこれからでありのまま伝える】
『分かりました！』
【忙しいのに･･･切り上げてきてもらってありがと】
『いえ！』

後悔があった。
なんで行かせたんだろうって。
こんなことになるなんて思ってみなかったのは事実。
でも･･･。タラレバがあふれて後悔になる。

『A？』
【･････････】
『ポスター見に行くんでしょ？』
【･････････】
『いつかじゃなくて今から･･･行く？』

意識のないAからはもちろん返事はない
なぁ。
大丈夫だよね？
失うの怖いよ？
看取るより･･･看取られる方がいいって言ったじゃん
こんなとこでしんだりしないよな。
俺と一緒に長生きしてくれるよな。
俺より若いくせに･･･俺より先に死なないよな。
人生も･･･美味しい酒見つけるのもこれからなんだろ
人生･･･これからだろ。
俺との未来これからだろ。
たくさんの人に覚えてもらうんだろ？
死んで知名度あげようとすんなよ。
20歳なんて楽しみこれからだろ？

『俺から･･･離れないでよ。A』
【名前を呼んだら･･･いつか反応してくれるよな】

反応してくれないAも
笑ってくれないAも
眠ったまま動かないAも全てが初めてのだった。