俺らの街はΩに優しい (ページ9)

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「ま、確かにそんな小さい頃だったら大変だっただろうね…」

「何てか、もう大変だけじゃ済まなかったんだよ…」

小五か…俺達は、何時になるのやら…

相手の名前を伏せたということは、知られたくないのかな…？

「ま、だからって周りにフェロモン効かないってのは結構良いけどな

ちなみに、お前はいるの？番」

「ううん、今はまだ、許嫁って感じかな」

「なんだよその例えwww」

「一応家まで送ってあげようか？」

途中でぶっ倒れたりしたらいけないしね…

「あー、じゃ、頼んじゃおうかな…てか、

なんか話し込んじまったな、こんな所で」

確かに路地裏で話すような話ではなかったね…

「俺としては、また話したりしたいかな？」

「ま、いんじゃねぇの？デメリットはあんまねぇし」

「…喧嘩負けたとか言うなよ？」

「言わない言わない」

彼を起こすために手を掴んで立たせようとした

その時だった

後ろにものすごい嫌な感じがした

振り返ったのと、「彼」が拳を振ったのは、

ほぼ同時だった

かろうじて避けるが、動きが早すぎる

手を慌てて掴む

亮と同じ山川高の制服

明らかに、亮より強い

山川高頭の亮より、だ

「何してんの？亮くんに触ってんじゃねぇよ」

目力がすごい。なんだコイツ、聞いたことない

こんな強い奴なら、直ぐに噂になるはずだ

「ちょ、ちょいまち！！！明！そいつ何もしてねぇよ！！！？」

「はぁ、だから亮くんは甘いんだって。考えが。ヒート中のΩに手ぇ出す輩に良い奴なんていないでsy…」

「その人もΩ。助けてくれただけ」

…

「誠に申し訳ございませんでした」

「い、いえ、こっちこそ、誤解させてごめんね？」

綺麗に礼をする杉川明と名乗った彼は、

よく見ると喧嘩しそうな見た目に見えない

髪色は明るいが、自然な明るさで

パーカーは来てるがピアスすら空けてない

「てか、ヒートってこと他のβに話してたんだね」

「え？僕αだよ？」

「あの…こいつ…番…」

え？どゆこと？

番だったらフェロモン大丈夫なの…？

「あ、今は理性が圧勝してるから大丈夫」

薬も飲んでるしね、と彼は平然そうに言う

「あと、明は一応山川高の裏番だぜ！」

「だから、普段は喧嘩とかしないから。

亮くんが危険な時するくらいだから」

仲良さそうだな…

こうして俺は、初めて、番という関係を持った
人たちをみた