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ああ、なるほどね。

見られちゃったってことか。


仕方ないよね、送った俺が悪いな。

なんて、ジンジンする頬を擦りながら考える。




「おい…なんとか言えや」



侑の声が耳に木霊する。

怒りで声が震えている、

空気がビリビリしているのが分かる。




____まあ、何言ったって

俺が悪いのに変わりはないしな。





「っ、おい!! なんとか言えやって!!」




大声を出した侑が拳を大きく振りかぶる。

歯が、折れなきゃいいんだけど。

なんて考えていると



『侑…、お願いやめて…っ!!』



茶色の髪の毛が視界いっぱいに広がり、

Aが俺の前に立ちはだかった。


細い手首を引っ張り、



「なんっやねんその態度」



歯が折れるんじゃないかと本気で思うほどの

衝撃に安堵するのは、後にも先にも今回だけだろう。



間一髪のところでAを守ることが出来た。

小さくて細い身体を俺の後ろに隠す。

握った手首から伝わってくる振動に苦しくなる。


好きなだけ俺を殴っていいから、

もうAを怖がらせるのはやめてくれ。

見てられない。



「俺が全部悪い。

ごめんなんて調子のいいこと言うつもりないから、

気が済むまで殴ってよ。」



“向こう行ってな”と視線でAに訴え、

校舎の中に入るAを見送ってから

侑の前まで足を進める。



「言い訳のひとつくらいしてみろや」



「…しないよ。やり取り見たなら分かると思うけど、

ほんと、俺が一方的に送っただけだから。

あいつを責めないで。」




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設定タグ:ハイキュー , 稲荷崎 , 角名倫太郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ぽよたろう | 作成日時:2022年6月4日 17時

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