- 罪と罰 -【角名倫太郎】 (ページ23)

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罪ページ23

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｢ん…｣

カーテンの隙間から差し込んだ光に照らされ

目を覚まし、いつものように時計を見る。

8時…?! やべ、部活…っ

遅刻だ、そう思い急いで身体を起こす。

そして目に入ったのは

俺に背中を向けてベッドの淵に腰を掛け

窓の外を眺めるA

…ああ、そうだ

今日は部活休みだった。

それと昨日＿＿＿＿

俺はもう侑にどんな顔して会えばいいか分からない。

それはきっとAも同じだろう。

｢おはよ、A｣

服も身に付けずにぼーっとするAを

後ろから抱き締めると

肌の冷たさに少し驚いた。

『おはよう、角名』

俺の方を振り向かないまま、

そう言われる。

｢…後悔、してる?｣

俺の体温を移すように

そして離れないように、きつく抱き締めれば

『してへんよ』

と後悔の残る顔で笑う。

｢そ、っか…｣

罪悪感で心臓が握り潰されてるみたいだ。

間違ってることは、分かっている。

人の彼女＿＿＿＿ましてや、侑の彼女で

手を出すことが許されないことも分かってた。

それでも我儘に求めてしまった。

温もりを、幸福を、愛を。

暗闇で1人で震えるAが放っておけなくて。

全て失ってもいいからと手を伸ばしてしまった。

付き纏う背徳感ですら愛おしくて。

このままゼンブ、

俺のモノになるんじゃないかとさえ思った。

｢侑に軽蔑されるね｣

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