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そんなこともあったな、

と過去の自分を嘲りながら



「それで、何を聞いて欲しかったの」



未だに顔を赤くして怒るAに聞く。



『あ、そうやった!!

あんな、これ見てや!!

メルティーキッスの限定の味! いちごやねんって!!』



ころり、と表情を変えて

へにゃりと笑いながら俺にその箱を差し出す。



「…へえ」



コンビニのお菓子だけの為に

走ってきてコケたのか。


面白くて、若干緩む口元を悟られないように

素っ気なく答えると



『角名にも1個あげようと思っててん!』



気前のいいオバサンのように

ベリベリと箱を開封して、

1粒、俺の手のひらに乗せる。


…俺が1番なんだ

驚きつつも素直に喜ぶのも癪なので



「侑にはあげないの?」



顔を覗き込みながら言う。

いつもなら

『あげるし〜!!』と頬を膨らませる所だが

一向に返答が来ない。



「…A?」



下を向いたままのAの肩に手を置くと



『あ、ごめ…ぼーっとしとったわ!』



バッと顔を上げて けろりと笑った。



『そうやね…侑にもあげなあかんな…』



自分に言い聞かせるように呟くAに違和感を覚える。


侑って単語だけでいつもは喜ぶのに。



『ちょ、な、なんやねん!!角名!?』



珍しく空元気に見えるAの腕を取り、

引いて歩くと 頓狂な声が返ってくる。



「ひとりじゃ行きづらいんでしょ」



侑と付き合うようになってから

Aに向けられる視線は好意だけではなくなった。

侑を好きな女からの悪意も向けられるようになったのだ。

十中八九、侑に女が群がる中

渡しに行けないんだろう。

俺が一緒に行く旨を伝えれば



『角名ぁ〜ありがとなあ〜!!』



Aは満面の笑みを浮かべた。



△▼

罰→←罰



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設定タグ:ハイキュー , 稲荷崎 , 角名倫太郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ぽよたろう | 作成日時:2022年6月4日 17時

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