罪 ページ13
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「下着とかは、洗濯機に入れて回しといて
明日の朝には乾くし」
浴室に案内して洗濯機の操作法を教える。
『わ、わかった! このタオル使ってもええ?』
「うん、あとこれ服ね。
俺のだからデカイかもだけど我慢して。
リビングにいるから何かあったら呼んで」
ラジャ!! と目を輝かせるAに
俺のトレーナーとハーフパンツを手渡す。
こいつ、事の重大さが分かっちゃいない。
何でそんな遠足前の小学生みたいなノリなんだ。
どういう状況か分かってるんだろうか。
健全な男子高校生とひとつ屋根の下で
それも俺の服着るんでしょ?
『ね、ねえ角名』
俺を殺す気なのだろうか。
そもそも、こんな状況で
手を出すなって方が____
『角名ってば!!』
「な、なに」
肩を叩かれハッとしてAに視線を移す。
やばいやばい、理性飛ぶとこだった。
『あの、下着の替え、忘れてきてしもうた…』
顔を真っ赤にして
どないしよ〜、と俺を揺さぶるA
言葉の意味を理解するまでに数秒。
「は、ハア?!」
『だ、だって急いでたんやもん!!』
いや、俺にどうしろと…
同じの着るのも嫌だろうし、
下着は朝にしか乾かない。
「じゃあもう、直で着たら、ソレ」
ふう、と1度息を吐いてから
さっき渡した俺の服を指さす。
『え、でも…ほんまにええの?』
「仕方ないでしょ、じゃあごゆっくり」
申し訳なさそうに俺を見るAを残して
そそくさと脱衣所から出る。
…下着無しで、俺の服着んの?
いや、俺が言ったんだけど。
「マジかよ…」
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作者名:ぽよたろう | 作成日時:2022年6月4日 17時