- 罪と罰 -【角名倫太郎】 (ページ1)

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罪ページ1

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『角名～!!』

昼休み、職員室へ呼ばれた帰り道で

後ろから大きな声で名前を呼ばれる。

｢…なーに｣

バタバタと走ってくる彼女を見て

足を止めて振り返れば

『なあなあちょっと!! 聞いて欲しいことあるんやけど!!』

右手に持った何かを掲げて

より一層急ぐもんだから

＿＿＿＿バタンっ

手前にあった段差に躓いて

静寂が訪れる。

絶対、やると思ったよ。

ふうと息を吐いてそちらへ歩み寄り

うつ伏せで倒れたまま起き上がらない

彼女の目の前にしゃがみ込む。

｢はやく立たないとパンツ見えてるよ｣

捲りあがったスカートにチラリと目を移して言えば

『!?』

今度はバタバタと慌てて立ち上がる。

『み、…見た?』

｢黒のレース。侑とデート? 気合入ってるネ｣

顔を真っ青にする彼女に

貼り付けたような笑みを浮かべて答える。

『さ、サイテ～!! 角名のへんたい!! むっつり!!』

先程とは打って変わって顔を真っ赤に染めて

俺の胸元をポカポカと叩いてくるのは

侑の彼女のAだ。

柔らかい茶色のロングヘアーに

愛嬌のある俗に言う“アヒル口”

笑うとえくぼが出来るぷっくりした頬に

大きなパッチリ二重。

こんなルックスで

気軽に話し掛けに行くし

誰にでも優しくするもんだから

男女問わず友達が多く、狙う男が多かった。

＿＿＿＿侑の彼女になるまでは。

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