. * P ! n k II * . 【花巻貴大】

P!_それぞれのクリスマス ページ28

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貴方｢たかひろ〜!!｣



駅の改札でバッチリキメていながらも

そわそわと周りを見渡す貴大に声を掛ける。



花巻｢あ、おっせえよお前｣



貴方｢ごめんごめん、ちょっと準備に手こずっちゃって｣



このやろ、と貴大がわたしの頬を引っ張る。


みにょ〜ん。 よく伸びるほっぺだ。



花巻｢つか、準備に手こずったってなん…だ……よ……｣



上から下までわたしをしっかりと見た貴大は

台詞を最後までハッキリ言わないまま固まってしまった。


貴方｢へ、ヘン…かな?｣


今日はクリスマスイヴな訳で。


いつもよりメイクを頑張って


女の子らしい服を着て、髪も巻いてみたんだけど。



わたしの問いに対する答えは返ってこないまま

指を絡められて手を引かれる。


貴方｢た、たかひろ!? ちょっと!!｣


花巻｢あーうるせえな!! か、かわいい!!｣


半ばヤケになって振り返り、かわいいと顔を真っ赤にして言う貴大を見て


わたしもなんだか顔が熱くなる。



ふたりして道の真ん中でドギマギしていると



＿＿＿＿ドンッ



？｢あ、すいません 大丈夫ですか?｣


貴方｢いえ!!こちらこそって…町倉さん!?｣


愛美｢Aちゃん!! 花巻も!! 久しぶりだね〜｣



人混みの中、ぶつかったのは町倉さんだった。


やはりクリスマスだけあって町倉さんもいつもより可愛い。


かわいさ2倍の大セールである。



相手の男はどんなもんかな…と



貴方｢まっつん!?!?｣


松川｢よ、昨日ぶりだなAと花｣


可愛らしい町倉さんの横で色気を大放出するうちの松川がひとり。



花巻｢お…まえいつからだよ!?｣



松川｢わりい、今度話すって。 行こうか、愛美｣



愛美｢うん。 Aちゃんと花巻ばいば〜い!!｣



まっつんは低く甘い声で町倉さんに囁くと、

町倉さんの腰に腕を回し2人仲良く人混みの中に消えていってしまった。


いつも見ない親友のお色気っぷりにうちの破廉恥なすびは放心中。

なんかまっつんと町倉さん大人だあ…


貴方｢いいなあ｣


花巻｢!? い、行こうか、A｣


無理にまっつんの真似をする貴大に笑いがこみ上げる。


貴方｢きもくて草｣


花巻｢まじで覚えとけよおまえ｣






fin.


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