【“兄”として出来る事】5 ページ6
この問題はルフィとアイスバーグによるもの。そもそもAは、部外者と言っても過言ではない。
苦虫を噛み潰したような顔で、Aは二人の行く末を見守ることを決めた。
「お前の言葉には、もう力はない」
「………っ」
「お前をここに招いたのは、一つ頼みがあるからだ」
天王の予想通り、アイスバーグはルフィに用があるらしい。静かにアイスバーグを見つめる天王には、次にくる言葉が見えていることだろう。
「……今からもう一度…ニコ・ロビンに会わせろ！」
ルフィにとっては予想外な要求だったのだろう。息を飲み込んだルフィはそのまま口を開かず、アイスバーグを見つめているだけである。
「………」
「……もう一度言う…」
そんなルフィの様子に痺れを切らしたのか、アイスバーグは左手で握っている拳銃のハンマーをコックした。
「……ニコ・ロビンに会わせろ…！！」
「…それは……っ、無理だ…ロビンの居場所がわからねェ」
ドォン！！
「ルフィ！！」
ルフィの返答を聞いたその瞬間、アイスバーグの拳銃が火を噴いた。
Aはルフィが立っている方を振り向いたが、既にその場所には愛しの弟の姿は無かった。
安堵の顔で立っているAの帽子が、風に吹かれて落ちた。風が入り込んできた方向を見てみると、閉じていたはずの窓は、いつの間にか開いていた。ルフィが逃げていった証拠だ。
Aは再び静かアイスバーグを見据えた。
「………」
「……んまー、そう睨むな…職務放棄にも程があるぞ」
慌ただしく入ってきたカリファが開いた扉の向こうからは、バタバタと騒がしい足音の数々。その正体は、警備中の船大工達のものだろう。
「アイスバーグさん！！ご、ご無事で…」
「ああ…。真相に近づけるかと、くだらねェ希望をかけた。あの一味を、全員捕らえろ！！」
「当然です！！」
入ってきた時と同じように、バタバタと騒がしく部屋を出ていく船大工達。
その後ろ姿を見送ったAは、床でゴロゴロと転がっているティラノサウルスを掌でそっと優しく包み込み、アイスバーグのベッドの上に丁寧に降ろした。
「……ルフィを打ったこと、謝るまで許さないからね」
「…ブラコン」
「うるさい」
「んまー…悪かったよ。俺にも事情があるんだ」
「…まぁ、現状がこれだからな」
Aは開いてる窓から外を見た。辺りをキョロキョロと見渡してみたが、既にルフィの姿はどこにも無かった。
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ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！最高です！！リメイク版楽しみにしてます！！ (2月5日 16時) (
レス) @page36 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 移行おめでとうございます。続きが待ち通しいです (2017年9月23日 5時) (レス) id: c86d4321b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫缶屋 | 作成日時：2017年9月12日 0時
