【生温いポタポタ】2 ページ27
隙ともみれるその一瞬に遠慮なく切りかかるゾロだったが、カクは何も油断していたわけではない。
むしろその逆である。ゾロの力量を自分が想像していたものより上と認識したのだろう。楽しそうではあるが、カクの顔つきが真剣なものに変わった。
「おっと」
「チッ！！」
乱暴な刀筋を難なく交わしたカク。ゾロは舌打ちをしながらも次の攻撃を繰り出そうとしていたが、それも打ち消された。
「ルフィ！！」
Aの叫び声。バカ正直に正面からルッチに突っ込んで行ったルフィは、ルッチに顔を鷲掴みにされて捕まっていた。
そして、Aもいつの間にか後ろ手に拘束されてしまっていた。どこからロープを取り出したのかと思ったが、何本ものナイフが括りつけられているのを見る限り、先程パウリーが出したものだろう。
「少しは静かにしてろ」
「ぁ"…っつ…！」
ルッチはわざとAの身体にナイフが食い込むようにロープを締め上げた。
「我々の任務を邪魔するものは仲間であろうと排除するのが基本だ。生かしているのは天王、お前の立場故だ」
「A！！」
暴れるルフィを鬱陶しそうに壁に向かって放り投げたルッチ。勢いよくぶつかった壁は壊れ、ルフィの上に崩れた壁が瓦礫となって降り注ぐ。
「ルッチ……痛、ぃ」
「そのぐらいが大人しくて丁度良いだろ」
ゲホッ、とAの口から溢れ出した血を気にもせず、ルッチはAを肩に担ぎあげた。
「あと、で…絶対っ、獣型になれよ…」
「……………」
どこから本気でどこまで冗談なのだろうか。ルッチは肩に担ぐことによって、先程より見えやすくなったAの顔を見たが、わからなかった。だがしかし、まだ生意気な口を叩くことができる程度には元気らしい。
ルッチは辺りを見渡して、カリファに聞いた。
「ニコ・ロビンはどこにいった？」
「ブルーノと一緒に先に行ったわよ」
「そうか」
「早くしないとここも火の海よ」
いつの間にか発火していたらしい。焼け焦げるような匂いが鼻につく。能力で姿を変えているため、普段より発達している嗅覚に舌打ちをしつつ、ルッチは本来の人間の姿に戻った。
早く行かないと、海列車の時間も迫っている。フランキーを捕らえることも忘れてはいけない。なんだかんだやる事が多いなと思いながら、ルッチは窓に足をかけたが、すぐに止めた。否、止めざる終えなかった。
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ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！最高です！！リメイク版楽しみにしてます！！ (2月5日 16時) (
レス) @page36 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 移行おめでとうございます。続きが待ち通しいです (2017年9月23日 5時) (レス) id: c86d4321b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫缶屋 | 作成日時：2017年9月12日 0時
