【天王？いいえ、人違いです。】3 ページ21
「鬱陶しい…剃」
「っ！消えた！？」
一気にルフィとの距離を縮めるルッチ。恐らく戦闘を終わらせるつもりなのだろう。不幸にもルフィはルッチのスピードに慣れておらず、ついてこれていないようだ。
「ルフィ！ちゃんと目を凝らして見ろ！！」
「そんな事言われても…っ」
「チッ！！」
恐らく現在のルフィでは、方向転換時に少しだけ止まる数秒間のルッチの姿しか捕えられていないのだろう。勿論それだけでも充分なのだが、現状それだけではこの先厳しいのもまた事実である。
Aは自分の反応より少し遅くルッチを追いかけているらしいルフィの前に出た。
「剃！！」
「何…？」
ルフィの首をギリギリ掠るぐらいの位置にあるルッチの手をAが捕らえた。
「そんなところ、指銃で突かれたらひとたまりもないだろ」
「息の根を止めるつもりでいたからな。風穴を開けるぐらいがちょうど良い」
「…でもまぁ、生身の人間の指銃なんて、ゴム人間の彼には効かないけどね」
ルッチとAの一触即発な雰囲気に、ルフィは動けないでいた。
「どうしてそいつを庇う。天王」
「天王？なんの事かな？“彼”はいつだって正義のコートを背負ってるはずだが？」
「……なるほど、やはり我々と敵対するつもりらしいな！！」
「ん〜ちょっと違うんだけどなぁ」
Aから少し距離を取ったルッチ。その隙にAはルフィに言った。
「ルフィ！パウリーを！！」
「あ、ああ！！」
ゴムゴムの能力で腕を伸ばし、パウリーを回収したルフィは、ひとまずパウリーを安全な場所にやるために、ゾロの隣に移動した。
「コートを羽織ってないにしろ、海賊を助けるのは頂けないな」
「あくまでパウリーという名の一般人を助けただけだよ」
「……」
「海賊には加担してないから悪くないし、正義のコートも羽織ってないから政府につく義理も無いよね？」
「屁理屈を」
大将と呼ばれるだけはある。能力も無しにルッチの攻撃を止めたAに、僅かながらルッチは警戒せざる負えない状況だ。
だがしかし、そんな状況でもルッチは余裕そうな表情を浮かべた。
「だが悪かったな…こちらにも秘策はある」
「なに？」
ニヤニヤと恐ろしいほど滑稽に馬鹿にしたかのような笑顔でAにジワジワと近寄るルッチに、Aはなんとも言えない恐怖心に足がすくんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！最高です！！リメイク版楽しみにしてます！！ (2月5日 16時) (
レス) @page36 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 移行おめでとうございます。続きが待ち通しいです (2017年9月23日 5時) (レス) id: c86d4321b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫缶屋 | 作成日時：2017年9月12日 0時
