【立場故の問題】1 ページ11
バタバタと走り回る船大工職人。
風に飛ばされてきた新聞紙を軽くジャンプして掴み取ったAは、その記事を読んだ。
「あちゃー…やっぱり見出し記事になったか」
麦わらの一味によるアイスバーグ暗殺未遂事件。
今やルフィ達はこの街の＿＿＿元から賞金首ではあるが、それとはまた別として＿＿＿お尋ねものである。
「…まぁ、街の様子から見て捕まって無いな」
橋にもたれ掛かり、街の様子を傍観するA。
すると、カタンカタンと何やら蹄の様な四足歩行の足音がどこからか近づいてきた。
「ん？」
Aは足音のする方向を見た。
「あれは…ルフィの所のトナカイ君？」
「あれ？えと、ルフィの…兄ちゃん……天姫？？」
「おっと、そっちで呼ばれるとは思わなかった」
鼻をヒクヒクさせながらAに近づくチョッパーに、Aは納得した。
「匂いか」
「うん。アラバスタの時はナノハナの香水のせいでわかんなかったけど、今ならわかる。天姫と同じ匂いがする」
Aはチョッパーの目線に合わせるようにしゃがみこみ、頭を撫でた。
「正解。私が天姫であり、天王だ」
「天姫が兄ちゃんで兄ちゃんが天姫！？」
「え？」
すると突然、聞き覚えのありすぎる声が橋の下から聞こえてきた。
「うわああああ！！」
「きゃああああ！？」
「うおおおおお！？」
バッシャーン！！
「ルフィ！？」
大きな水しぶきをあげて落ちたルフィとゾロ、ナミ。そんな三人の予想外すぎる隠れ場所、そして隠れ方とその末路に、チョッパーとAはその場で立ち尽くした。
「えと、その…じゃあ、私は行くよ」
「あ、うん！ルフィの兄ちゃんも頑張れよ！」
「ああ！」
何を頑張れというのか。Aは、頑張りたくないけどやるしかない今後の行動に、内心凄く疲れてはいたが、そんな様子をチョッパーに見せることもせず、むしろその真反対。とびきりの笑顔を浮かべてその場を去った。
「はぁ…やりたくない」
今晩またアイスバーグの屋敷に潜入するというCP9。いや、元から数名潜入してはいるのだが、これから起こる騒動にAはとびきり深いため息をついた。
「本部に帰りたい…」
帰ったら食堂のおばちゃんのご飯を食べて、おつるさんとお茶がしたい。空を見上げながらぼーっとしているAの現在の思考回路はそんな所だろう。
「……ごめんよアイスバーグ」
せめて少しでも怪我人が出ないように努めるのが、今できるAの精一杯の仕事なのだ。
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ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！最高です！！リメイク版楽しみにしてます！！ (2月5日 16時) (
レス) @page36 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 移行おめでとうございます。続きが待ち通しいです (2017年9月23日 5時) (レス) id: c86d4321b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫缶屋 | 作成日時：2017年9月12日 0時
