【“兄”として出来る事】1 ページ2
(ナイスだパンイチの兄ちゃん！！)
爆風に飛ばされながら安堵の顔を浮かべるA。そのまま上空で綺麗に体制を立て直し、華麗に着地した。
幸い、爆風によって巻き起こった土埃があたりの視界を悪くしてくれている。今がチャンス時。
「ウリュー…っ」
ウォーターセブンは水の都。Aの能力を使うにあたってこれ程環境が整った町は他に無い。
空気中に含まれている水分だけで、小さくではあるが能力を伸ばすことが出来た。
「…届け……っ！」
するする伸びていく水の糸は土埃の視界の中、微かに見える麦わら帽子を捉えた。
「ルフィ…兄ちゃんが導いてやるからな……」
Aの意図が伝わったかどうかは定かではないが、確かに反応を見せた麦わら帽子の影は受け渡された水の導きを頼りに、そのまま姿を消していった…。
「………」
土埃が晴れていく。
土埃が晴れて見えてきたその視界の中に、ルフィの姿は無かった。Aの作戦通りどうやら上手く逃げられたようだ。
「……ルフィ…」
ほっと胸を撫で下ろし、Aは兄の顔から大将天王の顔に戻った。
「いやぁ…パンイチの兄ちゃんが乱入したせいで逃げられてしまったね」
ルッチの視線が天王に刺さるが、天王は冷汗ひとつ流さない。この“男”スイッチが切り替わった時の堂々としたその態度。威厳。完璧なのである。
海賊を逃がしてしまったにも関わらず、堂々と立ち振る舞うその姿。大将と言われるだけある。立派だ。
「お、おい！お前大将だろ！？海賊に逃げられちまったじゃねぇか！！」
そうだそうだ！！と非難の声を上げる民間人に対し、天王は憤慨する訳でもなく、むしろその逆、まるでひっそりと静かに咲く白百合のように綺麗な笑みを浮かべて見せた。
「申し訳ございません。私の不手際により、海賊を逃がしてしまいました…ですが、ご安心ください。私が…この大将“天王”が！民間人の安全を保証しましょう！！だから…その…許してくれませんか？」
威厳ある姿から一転し、コテンと首を傾げる姿にウォーターセブン市民一同は心奪われた様子。
ズキューンッッッッ！！！という擬音語が正しいだろうか？老若男女完全にハートを貫かれてしまっている。
計算しているのか否か、色んな意味で侮れん“男”だと、ルッチは珍しく溜息をつきたい気持ちになった。
「それは計算か？」
「ぶっふぉwwwハトwwwwwwwwwやめwww」
今度こそ本当に溜息をつくルッチであった。
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ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました！！最高です！！リメイク版楽しみにしてます！！ (2月5日 16時) (
レス) @page36 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 移行おめでとうございます。続きが待ち通しいです (2017年9月23日 5時) (レス) id: c86d4321b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫缶屋 | 作成日時：2017年9月12日 0時
