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_____「うん、もう問題ないようですね」







小山内Aの主治医は、数枚のレントゲンを見比べて 笑顔を浮かべた
その結果を聞いたAもまた微笑んでいる


やっと左腕が使える、そんな思いで彼女は肩を回した
療養のため動かせないでいた左側は酷く凝り固まっているようだ








「あ、A!」

『……蘭!』







居た居た、とAの元に手を振りながらやって来たのは 毛利蘭
ここ数週間で仲を深めたらしい彼女達は 共に怪我の完治を喜んだ







『これで蘭に空手教えてもらえるね』

「ちょっと、まだ無理しちゃダメだからね?」







二人は笑う
Aに"友達"という存在が出来たのは……いつぶりだろうか
(勿論 工藤新一のことも友人だとは思っているが、Aにとって 心配性な彼はある種保護者のような立ち位置だ)




もうずっと前のことのようだし、最近のようにも思えた
兎に角彼女は久しぶりに友人と呼べる存在が出来たことが嬉しかった











「あ、そうだ…これ」


『これは……新一くんから借りた小説ね』








やっぱり私が返すのはなんか違うかなって、と律儀に小説を保管していた蘭
新一が戻ってきた時に返してあげて欲しいと言う彼女に、Aも頷いた

蘭は満足そうに笑って、それから と続けた








「新一がAにいつでも書斎から本を出して良いって、伝えて欲しいんだって」

『本当……?家主がいないのに良いのかしら』







予想通りの反応に蘭はAの手を取った
彼女は "彼奴に言っても遠慮して取りに行かないだろうから、一緒に連れて行ってやってくれ" と、昨日 工藤新一からメールで託されたのであった







「___新一ってそんなに世話焼きだったのね」


『え?何か言った?』







蘭は小さく呟いた。あくまで、Aに聞こえないように
彼女は「何にも?」と答える
蘭は、この酷く細くて白い 今にも消えてしまいそうな女の子を見ていると、新一の気持ちが分かる気がした







「(私が守るからね、)」






元来 お節介の性分であった蘭は、改めてそう思う

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長谷川(プロフ) - alien0927さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (7月22日 20時) (レス) id: 9afad4612f (このIDを非表示/違反報告)
alien0927(プロフ) - とっても面白くて更新が楽しみです^_^素敵な小説を書いてくださりありがとうございます! (7月20日 1時) (レス) @page34 id: bdf1edc050 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長谷川 | 作成日時:2023年7月14日 21時

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