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____それから数日
心配性のホームズが居なくなった日々は少し退屈だ


米花町の中では規模の大きい書店で数冊の推理小説を選ぶ
今まではミステリー小説家のお父さんを持つ新一くんが、とても良い趣味の数々を提供してくれていたお陰で退屈していなかったのだが……







(うーん…あまりピンと来るものがないな)





今日はこれだけにしようか、と腕の中の小説達をレジに運んだ


それぞれにカバーをつけてもらって、書店を後にする
先程までしとしとと降っていた雨は上がったようだった。傘が無くて困っていたので助かるな と思いながら、道路へ踏み出すと、誰かとぶつかってしまう







『あっ、』







まだ左腕は完治しておらず、右手には本が入った手提げを持っているため 今転んではまずい

意外にも冷静に回る思考とは反対に 何も出来ず、地面と衝突するのを目を瞑って待つしか無かった






(…………あれ、痛くない…?)







覚悟したはずの衝撃は訪れない

代わりに、驚いて落としてしまった鞄と 私の身体を支えてくれている男性が目に入った







「すみません、怪我は……」


『あ、大丈夫です』
『この腕も直に治りますので』







男性の視線が包帯の巻かれた左腕を捉えているのを感じ、そう伝える

この親切な人に心配をかけたくないな


どうやら片腕で私を支えてくれていたらしく、その逞しさに感嘆した
礼を言って立ち直り 再び歩き出す











____「待って下さい」「君、名前は?」







某有名入れ替わり映画のような台詞……だなんて思えて、笑いが零れた

名前を聞かれて笑った私に、男性は不思議そうな顔をしたので あぁいけない とすぐに名乗った



私の返答に「……そうですか」とだけ返事をした男性はそれ以上何かを言うこともなかったので、もう一度お礼を告げて今度こそ立ち去った










『あ、お兄さんの名前…聞いて無かったな』








少し癖っ毛で眼鏡を掛けていたお兄さん

どことなく……あの人に似ている気がして、出来ればもう出会うことがありませんように、と願った

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長谷川(プロフ) - alien0927さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (7月22日 20時) (レス) id: 9afad4612f (このIDを非表示/違反報告)
alien0927(プロフ) - とっても面白くて更新が楽しみです^_^素敵な小説を書いてくださりありがとうございます! (7月20日 1時) (レス) @page34 id: bdf1edc050 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長谷川 | 作成日時:2023年7月14日 21時

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