-introduction 8- ページ43
You side
「どうですか?」
『……美味しいです』
満足そうに笑う安室さん
(……はぁ、美味しいよ?美味しいけど…)
こんな朝食、緊張感しかないわっ!!
彼によって用意されたトースト、目玉焼きにサラダとスープ。まさか毒でも入れているんじゃないと疑ったそれらは全て美味しくて、食べても身体には何ら異変はなかった
「食べ盛りなんだから、沢山食べて下さい」
リクエストもあれば聞きますよ、とエプロンを外しながら微笑む彼は、イケメン喫茶店員として女子高生に絶大な人気があるらしい
組織の人間と分かっていて、こうして朝食を作ってもらうというのは如何なものか…
流されやすい自分自身を呪った
『安室さんは洋食派ですか』
「僕は和食派ですね。よく意外と言われますが」
沈黙が気まずくて どうでも良い質問をしてしまったなと我ながら後悔した
確かに外国人風の彼の容姿からは洋食を想像しがちだよなぁ、と考えていると
「そんなに見つめられると照れてしまいますよ」なんて言うから本当に厄介だな この人
『………私は、朝は洋食派です』
「そうですか。では、明日はオムレツにしましょうかねぇ」
安室さんは私の前に珈琲を置いた
お砂糖とミルク要ります?と聞かれたのでどちらも不要ですと伝えれば、驚かれた
「珍しい」
『え?』
「偏見ですが、貴女くらいの子は殆どがブラックコーヒーなんて飲まないでしょう」
あぁ、そういうこと
私がブラックコーヒーを飲むのは秀一の影響だった
彼は朝起きるといつも珈琲をいれてくれて、彼は砂糖もミルクも入れないから
私も真似して同じものを飲んだ
最初は慣れなかった味も 彼と同じだと思うと__
私にとっては"彼の味"みたいな気がして、ブラックコーヒーさえ甘く感じていたのだ
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長谷川(プロフ) - alien0927さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (7月22日 20時) (レス) id: 9afad4612f (このIDを非表示/違反報告)
alien0927(プロフ) - とっても面白くて更新が楽しみです^_^素敵な小説を書いてくださりありがとうございます! (7月20日 1時) (レス) @page34 id: bdf1edc050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長谷川 | 作成日時:2023年7月14日 21時