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You side
______「……」
『っ、!?』
身を隠して彼女らの話に耳をすませていると、彼女が口をパクパクと動かした
"大丈夫、逃げなさい" 彼女……いや、シェリーの口は確かにそう動いた
「……おや、お仲間ですか?」
「貴方の目的は私でしょう、下手に余所見しない方が良いんじゃない?」
言わずもがな読唇術を身につけているらしいバーボンにはバレていたが、シェリーが引きつけてくれる
……どうする。バーボンと私は面識がない、彼にはきっと "先程の小山内Aという女がたまたまここへ来た"と受け取られるだろう
でも、あの安室透に目をつけられればこの先日常生活を続けることは不可能であろう
(でも、彼女を見捨てるなんて____)
「_____Hey , プリンセス?」
『…………っ!!!』
背後から口を塞がれた
ベルモット、!?
彼女は人差し指を唇に当てると「バーボン、鼠は捕まえたわ」と呼びかけた
バーボンは軽く笑うと銃を取り出し、シェリーを連れて8号車の更に後ろに位置する貨物車へと向かっていく
「久しぶりね……メルロー」
『ベルモット、っ』
変わることのない美貌と美しい金髪を靡かせる彼女は私を抱きしめて額にキスを落とす
_____あの日のように
生きていたのね、ベルモットはそれだけを口にした
どうしてとか そんなことは聞かない彼女
………私があの時どんな選択をしたか バレているのだろう
そしてその選択が、こうして思わぬ結果をもたらしてことも
もしかして私と同じ境遇になっている人間が他にもいる____?
だとしたら、彼らは私が生きていることをもう知っているのではないだろうか
そう思い至ってしまった途端に身体の震えが止まらない
「安心してメルロー」
「貴女に何があったか、気づいているのは私だけよ」
____「私が貴女を逃がしてあげる」
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長谷川(プロフ) - alien0927さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (7月22日 20時) (レス) id: 9afad4612f (このIDを非表示/違反報告)
alien0927(プロフ) - とっても面白くて更新が楽しみです^_^素敵な小説を書いてくださりありがとうございます! (7月20日 1時) (レス) @page34 id: bdf1edc050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長谷川 | 作成日時:2023年7月14日 21時