False ページ2
You side
「なぁ、本当に大丈夫かよ？」
クラスメイトの工藤新一が顔を覗き込んでくる
先程から何度か同じ質問に答えているというのに、度々こうして疑われてしまう
疑り深いのは探偵の性なのだろうか
『大丈夫だって、人より時間がかかるってだけで治らない訳じゃないから』
納得いかなさげに「でもよぉ」と零す彼は至極申し訳なさそうに、包帯で固定された私の腕を見つめる
……君のせいじゃないのに
ここは病院の待合室で、先程この腕の処置が終わった所だ
診察結果は骨にヒビが入った程度であったが 私が傷が治りにくい体質であることを医師から聞いた彼は、もう30分はこの調子である
「俺が蹴り損ねたボールのせいだし、本当にごめんな」
『もう気にしないでってば！も〜新一くんがそんなだとこっちまで落ち込んで来るから』
場を和ませようと冗談を言っても、また謝らせてしまった
こんなに萎んでいる新一くんを見るのは初めてだ。いつもは鬱陶しいくらいに自信家な彼とはかけ離れている
『じゃあお見舞いに、クレープ奢ってよ』
それでチャラね、と新一くんの片頬をつついた
いい加減調子が狂うので普段の彼を取り戻して貰いたい
新一くんはまだ何か言いたげだったが、私の顔を見て 小さく「おう」とだけ呟いた
「"小山内A"さーん」
そうこうしている内に名前を呼ばれ、薬の処方や説明などを受ける
これが終わったらクレープ、そう思うと胸が踊った。甘いものには目がないのだ
待合室の椅子に戻ると、新一くんが荷物を持って待っていてくれた
相変わらず紳士だなぁと思う。弱冠17歳にして彼の振る舞いには時々ドキッとしてしまう
『新一くんって優しいよね』
「……んなことねぇよ」
そっぽを向いた耳がほんのり赤い
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長谷川(プロフ) - alien0927さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (7月22日 20時) (
レス) id: 9afad4612f (このIDを非表示/違反報告)
alien0927(プロフ) - とっても面白くて更新が楽しみです^_^素敵な小説を書いてくださりありがとうございます！ (7月20日 1時) (レス) @page34 id: bdf1edc050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長谷川 | 作成日時：2023年7月14日 21時
