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第10話 過去 ページ36

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side 赤井





自身の左手を眺める
久しぶりにちゃんと、"赤井秀一"として彼女に触れた

その感触が酷く俺を____





「しくじったな·····」





沖矢昴が俺だとバレる事無く
彼女を見守っていこうと思っていたのに



彼女と俺が別れてからそんなに時は経っていない
2年程前__俺がこの世から姿を消すことになる前に、Aには別れを告げた

少々強引なやり方はしてしまったのだが



Aを待つ間、すっかり冷めてしまった珈琲を含みながら ふと彼女との思い出を振り返る気になった







あれは7年程前の事だった





『わ、·····Sorry. I wasn't looking ahead.』
(ごめんなさい、ちゃんと前を見ていなくて)

「あぁ、俺は日本人だよ。気にするな」





偶然街で彼女とぶつかった
どこか疲れたような顔をした彼女をフラフラと歩かせるのが心配で、近くのカフェで休もうと言ったんだったか

その話を真純にした時は「秀兄らしくないね」と笑われたものだ
俺は存外気を遣うタイプだと思うがな



就職の関係で 一人アメリカに越してきたというAは知り合いもいなかったらしく
俺に友人になって欲しいと言ってきた

その時は、とても積極的な奴だなと
そんな印象を受けたんだったな






「仕事って、何をしているんだ?」
「差し支え無ければで構わない」

『FBIにスカウトされたの!』





父がアメリカの生まれだから力になれて嬉しいのだと、目を輝かせて言っていたな
···少し悩ましげではあったが

奇遇にもその少し前からFBIに居た俺は、これから仲間になるのならと 彼女とより仲を深めた







『うーん、こう···?』

「ここをもう少しこうすると良い」





彼女にライフルの撃ち方を教えたり、逆に彼女の得意分野の機械作業を教えてもらったりしたな

元々銃の腕前のあったAは飲み込みが早く スナイパーとしても充分な程に成長した



そうしている内に俺達が親密に、恋仲になるのは当然の事だっただろう

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てち(プロフ) - 続編楽しみにしてます(^^) (8月14日 3時) (レス) id: 2a7744b1b4 (このIDを非表示/違反報告)
長谷川(プロフ) - ユナ@前垢消えたさん» ユナさん!コメントありがとうございます(*^^*)ご覧頂けて嬉しいです (7月2日 0時) (レス) id: 9afad4612f (このIDを非表示/違反報告)
ユナ@前垢消えた(プロフ) - 神作品ありがとうございます (6月29日 9時) (レス) @page50 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長谷川 | 作成日時:2023年6月27日 6時

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