個性的な元夫が2人いるので日常が賑やかになりました【降谷零/赤井秀一】 (ページ34)

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「お先にどうぞ、僕は髪も長くないですし粗方拭けます」

シャワーを譲ってくれた沖矢さん
なんと言っても先には浴びてくれなさそうだったので、その時間が無駄だと判断してお言葉に甘えた

(あれ、私お言葉に甘えっぱなしでは····？)

さっさと浴びてしまおうと、未だかつて無い集中力でシャワーを浴びた

『はぁ、温かい』

「Aさん？タオル置いて置きますね」

『ぅえ、ははい！』

扉一枚向こうに沖矢さんがいるかと思うと、何だか意識してしまった
ひっくり返ってしまった声を戻すように咳払いをしてシャワーを止める

沖矢さんが風邪を引いてしまう前に早く代わらないと

『沖矢さん！お先頂きました！』

「おや、随分と早かったですね」

そこには"上裸で " 珈琲を淹れている沖矢さんが居た
首元にタオルを掛けているもののほぼ隠れてはいない

『なんで服着てないんですかぁ！？』

「いや、酷く濡れていたので····」

そりゃそう！そりゃそうなんだけれども！！

目のやり場に困る！と伝えると彼はいたずらっぽく笑って「分かりました」とシャワーを浴びに行ったようだった

珈琲を途中まで作ってくれていたので、気を紛らわそうとそれを引き継いだ

『うぅ、心臓に悪かったぁ···』

絶対お風呂上がりとかも服着させないと

アツアツの珈琲を我慢しながら、シャワーの音が止むのを待った

(そういえばドライヤーの場所聞いてないや)

裸の沖矢さんとの遭遇を避けるため、しばらく脱衣所の前で待った
恐らく服を着ているような音がする····から大丈夫だろう
脱衣所の前で聞き耳を立てるのは変態っぽいけど

『沖矢さーん、ドライヤーって何処に····え、』

「あ、····ッおい！A！」

そして、前回冒頭に戻る

私が驚くのもしょうがない
だってそこには沖矢さんではなく、アメリカにいるはずの元夫＿＿＿＿赤井秀一が居たのだから

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