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とある日の夕方。
無事勤務を終え、スタッフルームをあとにする。
エレベーターを降りると、病院ロビーに向かう彼女の姿が目に入った。
今日は1日救命に居たはずから顔を見ていない。
帰り際に会えるなんて、ラッキー！
今日の俺、ツイてるかも！
なんて思いながら、声をかけようと背中を追った瞬間、
彼女はソファに座る男性の元に駆け寄る。
黒いスーツを着こなし、1ミリの乱れもなくセットされたヘアスタイル。
少し離れていても分かるほどの整った顔立ち。
彼女が声をかけた彼は、紛れもなくTOKYO MERのセカンドドクターで。
最初こそ特に打ち解けている様子はなかったものの、時間が経つにつれ彼はなんとなく彼女に心を開いているように見えた。
そして先日の崩落事故で、ほんの少しの間意識を失ったA先生を見つめる心配そうな表情は、ただの官僚やセカンドドクターとしての彼でなく、紛れもない音羽尚としての表情だった。
彼女の荷物を受け取り肩を並べて駐車場に向かうふたり。
ドラマのワンシーンかと思ってしまうほど様になる。
同じチームのドクターという距離の近さ。
いつでも明るく振る舞い、まるで太陽のようなA先生と、特別な言葉をかけずともその様子を優しく見守る音羽先生。
無意識のうちに、彼女を目で追うようになっていたから。
自分でも気づかないほどに、惹かれてしまっていたから。
ふたりが纏う空気が変わった瞬間にだって、気づいてしまった。
最初から、入り込む隙間なんてなかったのかもしれない。
ただただ見送るしかない2人の後ろ姿から、いま生きているこの世界から、すべての色が無くなっていくようだった。
心のどこかでは分かっていたはずなのに、何か自分の中の名前のない感情が一気に崩れ落ちた。
Another Story / Ephemeral Serenade 03.→←~
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
