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「A先生のことは、私たちに任せてください。もう二度と、危険な目に合わせません。」
弦巻先生、と言おうとしたであろう言葉にならない彼の声は、夕暮れの穏やかな空気の中に浮かんで消えた。
「音羽先生は、余裕そうな顔でA先生を揶揄ってるくらいがちょうどいいですもん。」
ようやく彼はにやりと笑って、私の肩を軽く叩いた。
現場復帰まで、束の間の別れを告げて、私たちはだんだんと離れていく2人の背中を見送る。
それぞれに背負わされた過酷な運命も、容赦なく降りかかった未曾有の事態も、後悔も、苦悩も、不安も、幾度となく覆して進んできた。
そんな背中は、息を呑むほどに頼もしくて。
彼女に触れる彼の手と、何気なくそれに応える視線。
角を曲がりその姿が見えなくなる寸前、僅かに重なった2つの影は無償の愛に満ち溢れていた。
誰も、何も、話さなかった。
全員が、同じ願いを込めて、涙を堪えていた。
ただひたすらに、2人の未来を願っていた。
幸せになって、とかそんなのじゃなくて。
この夢が、醒めなければいい。
再び繋がれた手と手が、もう二度と離れることのないように。
私たちを包んでいた夕方の気配は消え、薄闇がすぐそこまで近づいている。
白金の月は、徐々に輝きを取り戻していた。
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
