After story 19. ページ35
-Your Side-
どこかで、だれかが。
私の名前を呼んでいた。
少しずつ入り混ざる、2つの声。
まるで歯車のように噛み合い、自然と私の中へ溶けていくその声だけが、
私をこの世界に、必死に繋ぎ止めているようだった。
ゆっくり、だんだんと大きくなるその声は。
糸が切れたかのように、私の意識を引き戻した。
｢A。｣
｢A先生？｣
2つの声は、やがて温度を増して
私の鉛のように重かった瞼を開かせた。
｢なんで、、、、？｣
やっとのことで絞り出したわたしの声は、
すぐに愛しい彼からの抱擁に包み込まれた。
｢俺たちが、A先生を助けるという決断をしたからです。｣
そう言って、もう片方の椅子に座っていた彼は人の良さそうな笑みを浮かべた。
その穏やかな微笑みと、苦しいほどに注がれる愛情が、私が生きていることをあらわしていた。
｢俺と、喜多見チーフが。みんなが、Aに生きていて欲しかったから。｣
｢でも、、、、、｣
思わず反論しようとした私の声は、彼の口づけに飲み込まれた。
生きていてくれて、よかった＿＿
彼が耳元で囁いた言葉は静かに胸に落ちて、私は再び瞼を閉じた。
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
