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それでも彼は、俺の背中を押した。
「だから、はやく行ってください。音羽先生。貴方のこと、待ってるんですから。」
「え？」
「A先生が、
�� TOKYO MERも、鴨居チーフも来てくれる。真っ黒のスーツを着た愛想の無い官僚さんも。彼は、ああ見えて誰よりも強い信念を持ってるドクターで、どこにでも駆けつけるスーパーヒーローだから。きっともうすぐ来るよ。��
って。その人の名前は聞いてなかったんですけど、先日TOKYO MERの前のセカンドドクターの話をしていたのを思い出したので。」
「、、、」
「貴方のことですよね。」
ただ、黙って彼の目を見つめると、彼は今にも零れそうな涙を堪えて、こちらを見ていた。
「A先生が、音羽先生を信頼しているのなら、僕達も貴方を信じます。僕達は、いつでも一生懸命で、まっすぐなA先生のことを尊敬していますし、心から信頼しているので。でもきっと、本当は怖いはずだから。だから、はやく。助けに行ってあげてください。」
「やっぱり、彼女が適任だったみたいね。」
「何故ここに、！？」
聞き慣れた声、肩に置かれたほんのり暖かい手に振り返ると、そこには赤塚都知事が腕を組んで満足そうに微笑んでいた。
「駒場さんも向かっているそうよ。こっちは私と駒場さんで指揮を執る。あなたは行きなさい。
あなたも、MERのドクターなんでしょ。」
赤塚都知事に黙って頭を下げ、仕事用の鞄から白いジャケットを取り出す。
�� TOKYO MER DOCTOR ��
背中に大きく刻まれた文字が、眩しかった。
「A先生を、よろしくお願いします。」
「、、、ええ。」
「僕、A先生みたいになりたいんです。ようやく、なりたいと思える医師像を見つけられた。あんな風に人の命を救いたいって、思えたんです。聞きたいことも、学びたいことも、伝えたいこともまだまだたくさんある。
だから、彼女を死なせないで。」
後ろに立っている彼の表情を見ずとも、彼女がここでどれだけ信頼されてきたか、もう理解出来る。
彼女から入った患者情報を告げる無線に応じ、トンネルへと足を向けた瞬間、目の前の暗闇はものすごい轟音を立てた。
心が、嫌だと叫んでいた。
その事実を、受け入れたくないと。
誰も想像していなかった2度目の崩落。
あたりに響き渡った轟音は、悪夢の始まりを告げていた。
無我夢中で叫んだイヤホンマイクから、彼女の返答は無かった。
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
