After story 13. ページ21
-Your Side-
「ただいまーっ。」
「おかえり。」
「あれ？早いね。帰ってたの？」
玄関のドアを開け、ひょこっと顔を出した彼に思わずそう問いかける。
膨大な量の仕事に追われている彼は、いつも私より帰りが遅いはずなのに。
「ああ、今日は急いで帰ってきた。」
「え？なんで？」
なにかあったっけ？
流れるように抱きしめられた彼の腕の中、少し考え込んでみるもなにも思い出せなかった。
「A、来週から横浜だろ。しばらく会えなくなるから、今のうちに顔を合わせておかないと。」
そうだった。私横浜に行くんだ。
東京海浜病院の近くにある彼の家や私の家から、YOKOHAMA MERの所属病院である�牴Ｉ融堽�総合メディカルセンター�瓩泙任呂�なり距離があるため、交換研修期間の2週間は病院の近くでホテル生活をすることになっていた。
「寂しいね。」
「喜多見チーフに会えなくなるから？」
「違うよ、分かってるくせに。」
「寂しいのは俺も一緒だ。」
誰かと一緒に同じ時間を過ごす幸せをもう知ってしまった。
手を伸ばせば届く距離に、愛しい存在が居てくれる幸せを。
いつものように揶揄ってくる彼をすこし強く、抱きしめてみる。
2週間分、チャージしておかないと。
「Aなら、大丈夫。」
「うん。」
「頑張りすぎないで。」
「うん。」
「ちゃんと寝て、ちゃんとご飯食べて。」
「うん。」
彼なりの不器用な励ましを素直に受け取り、優しく降ってくるキスに応える。
私には彼がいる、きっと大丈夫だ。
きっと、何事もなくまた会えるはず。
心の中でそう言い聞かせ、珍しく自ら彼の唇にキスをした。
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
