Another Story / Ephemeral Serenade 06. ページ14
-Tokumaru Side-
全員が、複雑な感情を抱えて降り立った現場。
取り残された重傷者を助けに行く、と言い放ち
崩れ落ちたショッピングモールの中へと走る彼女を
決死の想いで見送り、俺は救護テントでの処置にまわる。
「血圧上がってこないな、、ノルアドレナリン入れてください。」
患者さんを挟んだ向かい側。
迅速に指示を飛ばしているのは、珍しく焦った表情を浮かべる彼で。
「急がなくちゃッスね。」
「ええ。次々に運ばれてきますから。」
「ここのことじゃないですよ。A先生のこと、心配で堪らないんでしょ？」
「、、、、」
「A先生は、音羽先生が思っているよりずっと。音羽先生のこと、頼りにしてますよ。」
口にしなくちゃ伝わらないことばかり。
言わなきゃ分からない、なんて言葉もよく聞くけど。
ごく稀に、言葉にしなくとも伝わってくるものはある。
それを人は、「信頼」と呼ぶのだろう。
神様の意地悪に踊らされて、思うように笑えない2人を見ているのはもう飽きた。
だから、
「はやく、行ってあげてください。」
目の前に立っていた彼は顔を上げ、僅かに微笑む。
自らの立場や、周りの重圧までもを
乗り越えてようやく現場にやってきた彼の瞳は、
昨日までの輝きを取り戻していた。
そうだ、それでこそ彼女のヒーローだ。
待ちわびていた光は、きっと。
もうすぐそばまで迎えに来ている。
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
