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迎えてしまった、最終審査会当日。
数時間後には突きつけられているであろう結果のことを考えてしまうと、どうしても前向きな気持ちでいるのは難しかった。
そんな中、おはようございまーす！と、軽やかにスタッフルームに入ってくる彼女。
ポニーテールにした艶やかな髪を揺らし、シンプルな紺色のスクラブはスタイルの良さを際立たせる。
一見、いつもどおり。
「音羽先生、おはようございます。最終審査会、よろしくお願いします！」
耳に入る彼への挨拶は、
ほんの僅かな違和感があった。
無理やり作ったような明るい声は、昨日まで彼に向けられていたものとは違う。
きっと、彼女自身でも気がつかないような些細なもの。
「なにもお願いされるようなことはできません。現場を視察した医系技官として、事実を報告するだけです。」
ああ、やっぱり。
彼は、彼女よりもずっと分かりやすくて。
2人を包む空気が冷たく、か細い悲鳴をあげているようだった。
ふと振り向いた彼女と目が合う。
その瞳には、昨日までの輝きは無かった。
なぜ、人はすれ違ってしまうのだろう。
自分本位に生きているからか。
他人の気持ちを理解する力が足りないからか。
それとも、
お互いがお互いを想いすぎているからだろうか。
もし、そうなのだとしたら
あまりにも神様は無慈悲で、
運命は、ロマンチックでもなんでもないだろう。
ねえ、A先生。
昨晩、何があったか教えてくれませんか。
きっと、誰よりも責任感が強いあなた達だから。
全てを背負い込もうとしているはず。
少し俺にも、持たせてくれませんか。
光を失った瞳にいくらそう問いかけても、困ったように微笑み、首を横に振るだけだった。
ふたりを繋ぐ糸が解けていく。
為す術なくそれを見つめる俺の目の前で。
~→←Another Story / Ephemeral Serenade 05.
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
